
秋晴れに誘われて、
銀杏峰(標高1440.7m)に行ってきました。
「ぎんなんほう」と書いて
「げなんぽ」と読みます。昔、このお山の近くで銀が採掘されたことが名前の由来とされています。

大野市街からも眺めることができ、遠目にはとても穏やかな山容です。
8:55 宝慶寺いこいの森到着登山口のある宝慶寺いこいの森は、30,000㎡の敷地にキャンプ場・バーベキュー施設・芝生広場などがある広々としたエリアです。今日は午後から天気が下り坂の予報でしたので、もう少し早めに到着したかったのですが、最近、ぬくぬく布団からすぐに抜け出せません。

駐車場からすぐ登り始められる名松新道から頂上を経て小葉谷登山口側に降りれば周回できますが、帰り4km近い距離の舗装路を下ってこなくてはなりません。下りの舗装路は超苦手なので、小葉谷登山口から反時計回りで周回することにしました。

駐車場脇の電話ボックスに登山届を提出します。

出発前の重要な儀式も、キレイなトイレで快適に済ませることができました。

芝生広場にはサイクリングの方が休憩されてました。自転車にも最高の季節ですよね~
9:11 駐車場出発気温は16℃ 少し肌寒さは感じるものの、風も無く穏やかな朝です。

長T短Tの重ね着で登り始めます。

沿道には
コムラサキ(小紫)が美しい実をつけています。

工事車両のダンプカーが横をすり抜けて行く中、20分ほど進みましたが・・・・
小葉谷登山口までは、あと40分近く舗装路を歩かなければなりません。
道路脇には
「名松新道口←」の標識が・・・・
・・・・・・・・・う~むっ
・・・・・・名松新道で登ろう。実際は、悩む間もなく、秒殺で左折していたんですけどね(笑)

こちらも林道ですが、舗装されてないので少しは気が楽です。

途中治山工事が行われていました。

標識から5分ほど進むと、駐車場からすぐ登り始める名松新道との合流点に辿り着きました。いこいの森へ向かう道は少し入口が不明瞭で、うっかりすると見逃しそうですね。
9:34 名松新道、上部登山口到着

安心してください!はめてますよっ。

最初は、丸太で仕切られた、ゆるやかな道が続きます。

上部登山口から歩いて2分ほどのところに水場がありました。

アクエリ2L担いできていますが、マグカップで頂きます。
冷たくて、まろやかで、とてもおいしいです。水量もとても豊富です。これなら夏場でも枯れる心配はなさそうです。

登山道には栗のイガや団栗がたくさん落ちていました。
秋になってあまりクマ情報で騒がないのも、今年はエサが豊富だからでしょうか?

仕切りの丸太にはお弁当のウィンナーのように切れ込みが入っています。濡れてる時などの滑り防止でしょうね。
9:53 仁王の松 通過その名のとおり、力感あふれる枝ぶりです。

足元の落葉もどんどん増えてきて・・・・

頭上には紅葉、黄葉のトンネルが出来ています。
四季のうつろいに敏感で、「もののあはれ」を愛した平安時代の貴族たちは、地面に散った落葉の色を
「朽葉色」(くちばいろ)と表現していました。後に、
朽葉四十八色と呼ばれるほど様々な色のバリエーションが生み出され、
赤朽葉色や
黄朽葉色は平安貴族の装束に使われたり、文学作品に登場しています。

10:22 朽葉色の森でひとやすみ。気温は17℃ 天候の急変に備えて、冬の防寒着を数種類詰め込んできましたが、いまのところ出番は無さそうです。

赤と黄色の混在も
・・・・いとをかし・・・・
10:30 銀杏峰 前山到着(標高1,150m)

今日は霞がかっていてあまりはっきりはしませんが、眼下に大野市街が見渡せます。

さらに15分ほど登ると、あたりのブナ林はすっかり葉が落ちて、幹の白さが目立ってきます。
江戸時代にはねずみ色が大流行しましたが、なかでも明るく白っぽいねずみ色は
「銀鼠」(ぎんねず)と呼ばれ人々に好まれていました。ひょっとしたら銀杏峰の銀は鉱山のみならず
、「銀鼠色のブナが美しい山」からもきてたりして・・・・
11:00 親水古道(中島コース)との合流点通過正直この時は、「名松新道←」看板の下にあった、
「親水古道」の看板にまったく気づかず、藪に隠れて分岐だとも思わなかったので、後で中島コースを捜すのに往生しました。

道は森林限界を超え、笹と低木の広尾根歩きとなりました。このあたりは
天竺坂と呼ばれています。

あたりには
ツルリンドウ(蔓竜胆)の赤紫の実や
ナナカマド(七竈)の真っ赤な実が生っています。

祠のそばに立つ人影も見えます。あれが山頂でしょうか?
11:11 銀杏峰山頂 到着(標高1440.7m)
いこいの森からは2時間ほどでした。

山頂には先着のハイカーさんが二組ほどいらっしゃいました。

途中、中島コースとの分岐がまったく解らなかったので、地図を広げて見るものの、ピンと来ません。
念のため、もう少し先に進んでみることにしました。
山頂から先も広大な尾根が続いています。前方から団体さんが登ってきています。

尾根をしばらく進んだところに設置されていた看板を見ると・・・
げげっ!?・・・・中島コース・・・・天竺坂の手前だったのか?・・・・

あわてて引き返しますが、途中「希望の鐘」なる看板が目に入ったので行ってみます。
名前からして洋風の可愛らしい鐘を想像していたのですが・・・お寺の釣鐘を小さくしたようなシロモノで・・・・
鳴らすと凄まじい音が鳴り響いてしまい、思わず
「す、すいません!」と、あたりを見回してしまいました。

山頂も・・・・凄まじいことになってましたので・・・鐘の看板のところまで戻って昼ごはんとしました。

おにぎりを頬張っていますと、同じく山頂であぶれた方々が集まってこられ、しばし談笑。

山頂の祠にお参りし忘れたので、少し下った木の根元にあった小さなお地蔵様にお賽銭を。

天竺坂を下ります。途中休憩されていたご夫婦にもお聞きしたところ、やはりこの下に分岐があるとのこと。
「中島コースを登って来た人に聞いた話では、途中の斜面の紅葉が凄かったらしいですよ」との情報を教えて頂き、俄然期待が膨らみます。
12:00 親水古道(中島コース)分岐発見!なんのことはない、登りの時に写真まで撮っていた看板のところでした。

言い訳するわけではありませんが、この標識・・・非常に解りにくいっす。

し、しかも・・・・
藪なんすけど・・・・・

なんとなくトレースはあるものの、明確ではありません。
親水古道(中島コース)って・・・
ほとんど誰も通らない道なのでは・・・・?先ほどまでの期待が急速に萎んでいき、不安が風船のように膨らみます。

藪はますます酷くなり、自分の背丈ほどになってきています。

正直、もう引き返そうかと思いましたが、足元の
ジャノヒゲ(蛇の髭)の実や紅葉に後押しされ、先へ進みます。
おおおっ!?なんどかアップダウンを繰り返していると、急に前方が開けてきました。
予感がします!きっとこの先には去年の今頃、師匠の
よっし~さんが出逢った
紅に染まる
天空のコリドー(回廊)が待ってるハズですっ!
いざっ、ゆかん!
・・・・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・。
さっ、帰るか・・・・・。
足元のピクトが警告しているとおり、
つまづいてしまいました。いや、足ではなく・・・心が。

ただし、麓の色彩と


中腹あたり、銀鼠色の木々とのコントラストは息をのむ美しさでした。

陽光の当たり具合で表情を変える斜面の色彩変化は飽きることがなく、いつまでも眺めていたかったのですが、予報どおり雲が厚くなってきました。引き返しましょう。

当然、藪漕ぎ再びっす。

笹薮は自分の背丈ほどありますので、すんなり前には進めません。手で掻き分けても、跳ね返ってくる枝でサングラスも飛ばされそうな勢いです。

こ、この
トゲトゲの葉っぱも
痛い!

そんなときでも、傍らに生っている
イチイ(櫟・別名アララギ)の実が心和ませてくれます。一足早い、
クリスマスツリーのオーナメントみたいですね。
12:44 親水古道(中島コース)分岐点戻り登り返しもキツく、藪にも阻まれ、往復に時間がかかりました。

酷い道でしたが、コイツの出番が無くて、ホッとしました。

名松新道に戻ってからは、あまりに足元がフカフカのため、膝への負担も少なそうなので走って降ります。
新雪のゲレンデをスキーで滑ってるような感覚です。へたにゆっくりと降りて体重が後にかかるより、滑らずに降りて行けます。

「見返りの松」あたりで団体さんに追いつきました。
気のきいたお姉さまが、ワタシに気づき、
「皆さーん、
新幹線が通りますので、よけてあげてくださいな~」
と、グループに声をかけて下さいました。ホントは
各駅停車の鈍行列車並みなんですが・・・・
新幹線らしく振舞わねばならないので、皆さんにお礼を言いながら小走りで通り抜けます!
登りでも下りでも、道を譲ってもらった時は一瞬だけパワーが出ます。

調子に乗っていると、足元の注意がおろそかになります。危うくなにかと縁のあるセンチコガネ君を踏み潰してしまうところでした。

再び水場で喉を潤します。

さらに進むと、林道が見えてきました。

登りには通らなかった、いこいの森駐車場からのコースを使って戻ります。

杉林の中を、下って行きます。
13:53 いこいの森駐車場 戻り

最後の難所(笑)をクリアして、車に戻ります。
運動直後にプロテイン摂取。

芝生広場では陽だまりのなか、一組の親子連れがのんびりお弁当を食べていました。
さあ、ツギはどの山にのぼロウか?
ちなみに、今日のログです。
すべてに中途半端だった歩きが如実にあらわれていますね。
・・・・いとをかし・・・・
沿面距離 11.2km
累積標高 1215.8mでした。
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