2015.3.22 敦賀半島放浪記 西方ヶ岳～蠑螺ヶ岳（ソロ）

ボ、ボクはおむすびが好きなんだな。
きょうは、おむすびを気比松原のコンビニで買ったので、つ、つるがの山に登るわけで・・・


はっ、すいません！
つい裸の大将風のオープニングで始めてしまった今回の山行ですが、敦賀半島の主稜である西方ヶ岳（さいほうがたけ）～蠑螺ヶ岳（さざえがたけ）を縦走してまいりました。
ネットで下調べしてみると、4月後半からＧＷ、あるいは真夏の時期の縦走レポは多数ヒットするものの、今の時期（3月の中旬頃）のレポはほとんど見当たらず、あっても西方ヶ岳のみとか、北の蠑螺ヶ岳のみとかで、縦走をしたという記事がありません。それも、「雪が多くて断念した」とか「道に迷って引き返した」とか・・・不安を増大させる内容のものが多く、正直もっと暖かくなってからのほうがいいのかな？と思いましたが、お天気はとてもいいようですし、俺にはＧＰＳとスノーシューとクマモン熊鈴がついているんだからと、チャレンジしてみることにしました。





西方ヶ岳は、北の蠑螺ヶ岳とともに敦賀湾を形作っている敦賀半島のほぼ真ん中にあります。以前のぼった岩籠山や野坂岳とともに敦賀三山のひとつに数えられており、標高自体は764.1ｍとそれほど高いわけではないものの、海抜0ｍの海から直接立ち上っていることもあって、標高以上に大きくどっしりと聳え立っているように見えます。





7：26　常宮神宮着
登り口は常宮神社（じょうぐうじんじゃ）から集落の中を抜けたところにあります。登り口には駐車スペースがないので、この神社の駐車場に停めさせて頂きます。地元では「お産のじょうぐうさん」と呼ばれ親しまれている神社です。敦賀市内にある気比神宮の祭神・仲哀天皇の妻である神功皇后がこの地で皇子の応神天皇を安産したことからそう崇められているそうです。そして常宮神社は気比神宮と夫婦とされ「奥宮」ともいわれています。毎年７月には、気比神宮の祭神・仲哀天皇を納めた船神輿が海を渡り、神功皇后を祭るこの神社まで会いに行くというロマンティックな神事が執り行われています。




駐車場からは、朝日に輝く敦賀湾が間近に迫り




境内には紅白の梅が見頃を迎えています。


ワタクシの住む嶺北地方とは、一足も二足も早い春が訪れているようです。




境内を北に抜け、集落に入ると西方ヶ岳登山口の看板が目に入ります。




斜面に忽然と聳える大岩のある山を目印に進んでいきます。道路脇には「山頂まで3.5ｋｍ」の看板もあります。




7：50　登山口到着
登山口付近にはあの黒い方に関する注意書きが・・・・やはりこちらにもいらっしゃるのね。


　
第一の武器、すかさず装着。　敦賀市章マーク入りの檻も設置されていました。





最初は疑似木の階段を登って行きます。




足元にスミレが一株咲いていました。淡い色合いが素敵です。




気温は14℃です。すでに暑いくらいですね～
体温を拾ってしまうので腕には巻かずに、ザックのベルトにぶら下げてあります。




8：12　奥の院展望所


ここが麓から見えていた大岩でしょうか？見晴らしはとてもいいです。




付近に群生しているのはタムシバのつぼみっぽいですね～。開花にはもう少しかかりそうです。




登山道にも巨大な岩がごろごろしています。




途中には大きな沼田場も。




8：34　予想以上の暑さに早めの水分補給です。下調べによると水場もあるようですが、アクエリ2Ｌと予備水0.5Ｌ担いできました。雪もここまでは全然無くって、スノーシューの出番があるとはとても思えません。アイゼンと合わせて単なるウエイト3ｋｇほど余分に持ってきちゃったかな？などと呑気なことを考えていました。それくらい夏を思わせる陽気です。



8：49　銀命水到着
湧水がけっこうな勢いで登山道を流れ落ちていきます。



ただ銀命水の前後から道を雪が覆うようになってきました。や、やはり来たか・・・



道端には花崗岩の破片とおぼしき白い岩がごろごろ転がっています。西方ヶ岳も蠑螺ヶ岳もその全体がすべて花崗岩でできているそうです。


　
9：08　　オウム岩到着



標高も500ｍを超えてきたので、眺望もさらに見事です。



あたりにはマンサクが群生していました。これだけ満開だと、美しいというより・・・エイリアンの群れ襲来！のようでちょっとコワい感じもします。



　
登り始めから一時間超たったので、ＳＯＹＪＯＹ補給。今日も一時間ごとのエネルギー補給を試しています。




これより先は斜面全体をけっこうな量の雪が覆うようになってきました。」


　
日の当たっている時間の差でしょうか、場所によってガボらずに行けるところと、沈み込むところとが交互に現れます。
でも、なんとかスノーシューを使わなくても登ってはいけます。



さらにけっこうな急登をひたすら登り切ると・・・・




ブナ林の向こうに三角屋根の避難小屋が見えてきました。




10：00　山頂広場到着（標高746.1ｍ）
山頂付近はまだまだ雪が残っています。1.5ｍくらいは残ってるでしょうか。




この先は、トレースがほとんど判別できません。やはりこの時期、縦走しようなどという人は少ないのでしょうか。




よっしゃ！二番目の武器。必殺スノーシュー。出番です！


　
ぼ、ぼくはおむすびが、だ、だいすきなんだな。
ね、ねんのため、スマホのＧＰＳでこのさき進む方向を、か、かくにんするんだな。
だってト、トレースが無いからとっても不安なんだな。



ね？わかんないでしょ。リボンも無くて、けっこう木々が密集しているのですんなりとは進めません。




ただ、スノーシューの浮力は相変わらず抜群です。ザラメの腐り始めた雪でもほとんど沈むことなくどこでも歩けます。
やっぱスノシュ楽し～



基本右手に海を見ながら尾根伝いに歩いて行けば間違いはないのですが、なんせ灌木が邪魔して思いどおりの方向にはなかなか進めません。




右へ左へすこしでも茂みの開けた歩きやすいスペースをみつけて進みます。



今回導入した三番目の武器　ガーミンetrex 30Jのログです。じつは使い方をじっくり勉強してくる時間がなくて、よくわからないまま、電源だけいれてザックの天蓋に放り込んできました。今回はログさえとれれば御の字です。でも家に帰ってからカシミールで開いてみると非常に緻密にログがとれてて感動しました。このあたりを右往左往しながら進んでる様子がモロわかりです。




できるだけ見通しの効く高いところに立って、目視でおおよその様子をつかみます。遠くに見えるのはカモシカ台の大岩でしょうか。



ただ、再び森に入ってしまうと、見通しも効かず、やっぱ不安になります。ほんとにここでいいんかいなぁ？




急に雪が無くなっているところもありますが、スノーシューのままガリガリ歩きます。
きっとまたすぐに山盛りの雪が現れますから。




おおっ！やっとトレース発見！と思ったら、なんか様子が違います。シカのトレースでした・・・
でもシカだってすこしでも歩きやすいところを歩くはずです。しばらく辿っていくことにしました。




がっ　トレースは急に90度左へ！
あらら？たしかに歩きやすいけど、そっちは谷じゃ？



これも帰ってからログを確認したのですが、カモシカくんの足跡について行ってだいぶ谷へ入り込んでしまってますね～





なんせ木々の密集がハンパなく、気が付くと稜線ははるか頭上に・・・。戻るのも大変苦労しました。




蠑螺ヶ岳手前の急登では、雪が完全に腐ってしまって踏み出したスノーシューごと雪が崩れ落ちてしまうので、アイゼンの前爪のようになっているつま先をキックステップで突き刺して登ります。それでも突き刺さったところもすぐ崩れ出してしまうので、崩れる前にまた反対の足を突き刺して登ります。なので結果的にすごい速いペースでのぼってしまうことになりますが、体力の消費がハンパありません。





11：35　　蠑螺ヶ岳山頂（標高685.5ｍ）到着　
北陸のハワイこと水島が素晴らしくキレイに見えます。



勢い余って、頂上を通り過ぎてしまいましたが、気が付いてなんとか戻れました。



　
ヘロヘロなのでエネルギーを補給です。ここではゆっくり休みました。




南の島そのものの水島と、足元の雪のギャップがスゴイです。季節感がシュールなことになってます！




ヒオドシチョウかな？初夏のみに発生する蝶が、この時季にいるってことは冬を越したんでしょうね～。
このあとは卵を産んでその役目を終えるはずです。ワタクシ同様ヘロヘロなのかじっとして休んでいます。




あとは、ひたすら浦底に向かって下って行きます。とはいっても結構アップダウンがあってキツイです。
もう雪は無いだろうとシューをはずしてしばらく進むと・・・・



まだまだありました。でももう再びシューを履く気力がなく壺足でガボリながら進みます。
ゲイターをしてるとはいえ登山靴の中にも雪が入り込み、マズイ！けっこう中まで濡れてきてしまってます。




12：05　大きな岩に白い矢印が書かれたとこで休憩



気温はさらに上がって17℃です。ただ風がそこそこ吹くのでＴシャツのみではちょっと肌寒いかもしれません。長Ｔ短Ｔの重ね着としました。



　
12：47　原電山岳部の標識


たしかに水島が、ほんとによく見えます。




ただ、その美しい景色の目と鼻の先には、原電の施設が。
相容れない二つの情景に複雑な気持ちがこみ上げてきます。


　
その後、水場や岩場を過ぎて、




13：07　浦底（蠑螺ヶ岳登山口）到着




蠑螺ヶ岳を過ぎたあたりで今日唯一すれ違ったハイカーさんの車でしょうか？一台だけ停まっています。



　
原電の敷地内を通るコンクリートの細い道を下っていくと県道141号線に出ました。



13：17　浦底バス停着



バスがくるまでは30分くらいあります。




また、おむすびを食べながら・・・・バスに乗るべきか、乗らざるべきか・・・・

や、やっぱ、ぼ、ぼくは歩くんだな。



200円が惜しいわけじゃありませんよ～！




山のうえからとは全然違う景色の水島を左手に眺めながら、歩き始めました。




ふ、不審者に見えるかもしれないけど、お、おまわりさんは呼ばないでほしいんだな。




海のような青いタイルの学校や




かもめの群れ。




海の青さに酔いしれていたら、バスが通り過ぎて行きました。これでツギのバスは5時間後までありません！

こ、これでいいんだな。これで・・・・




こんなにきれいなんだな。




海の水も透き通ってるんだな。




せっかくなので船着き場まで降りてひとやすみするんだな。




雪でびしょびしょになって、濡れてふやけた足で固い舗装路を歩いてきたので、足の裏が痛くなってきたんだな。
水ぶくれになりかけてるんだな。



でもまだまだ歩かなくてはいけないのでエネルギーを補給します。



寄り道も、じーぴーえすに見られちゃってるんだな。



おっ、あの山のかたちは・・・



遠くだけど、常宮神社の杜と舞台がみえたような・・・



15：04　常宮バス停到着




15：08　常宮神社　戻り
無事戻れたお礼とお賽銭を少々奮発。







落ち椿・・・なんだな。






ちなみに今日のログです。
時計の高度は合わせたのですが、ガーミンの高度計を合わすのを忘れてました（恥）



ずいぶん歩いたと思ったんだけど・・・

まだまだ修行が足りません。



み、水ぶくれが痛いんだな。　




さあ、ツギはどの山にのぼロウか？