2015.3.8 雪解星（ゆきげぼし）の森を越えて 日野山 萱谷コース （ソロ）

お天気マークが出ていた天気予報とは裏腹に、濃霧と曇り空に包まれた日野山（標高794.5ｍ）に行ってきました。この日は天気がよければ奥越の雪山に行きたい！と気合をいれて5時すぎに目覚めたのですが、鉛色の空に、低い雲なのか、もの凄い靄なのか近くの山の姿さえ見えない状況でした。
「はい、どうも」とつぶやき、二度寝です！
夢うつつの布団の中で、
（こりゃ里山しか無理だなぁ～里山といえば文か鬼か日か・・・・んっ？日野山には宿題が残ってたなぁ～萱谷コースもまだ登ったことないし・・・よし！日に決定！）
寝ぼけたアタマで結論を出し、7時すぎに起床。朝食やら子供との予定確認やらなんやらですっかり遅い出発になってしまいましたが、一路Ｒ8バイパスを南下し、庄田の交差点を味真野方面を目指します。



09：23　登山口駐車場着
ありゃ？だれもいません。天気が悪いとはいえ、日曜日の日野山です。一組ぐらい先に来ててもよさそうなものですが・・・



　
09：42　山のぼり開始
萱谷コースにも地元の小学生が描いてくれた残り距離の看板があります。味真野小の子供たちのようです。
これらのかわいらしく、シュールな看板を見るのも日野山登山の楽しみのひとつですね。



　
登り始めは雪もまったく残っておらず、冬の間冷凍保存されていた昨秋の落葉が登山道にこんもり残っています。




何ヶ所か、大きな倒木が道に横たわっています。めいっぱいしゃがんで通り過ぎます。
ただ、倒木の表面が激しくめくり取られて中身も削り取った真新しい跡が残っています。
これって・・・・あの黒いお方たちが、長い眠りから覚めて、空腹のあまり木の中で冬を越している虫の幼虫なんかを
見境なくバリバリ探しまくった跡じゃないんでしょうか？



用心棒の先生！出番です！久しぶりに熊鈴付けました。たのみますぜ～。




先週の文殊山同様、登山靴にゲイター装着でヌタヌタ泥対策です。




10：08　お地蔵様の展望台到着
このあたりから残雪が増えてきました。



振り返ると、麓の味真野の町並みがよく見えます。



「かなしくったって～コートの中では平気なの」って・・・相当古いですね～




さらに15分ほど登ると、完全に雪に覆われてきました。




ただ、木々の周りでは雪根開き（ゆきねびらき）とか根開き（ねあき）と呼ばれる現象が起きていました。木の周りだけ円形に雪が溶けています。



なぜ、このような現象が起きるのか？いろんな説がありますが、木の幹からの反射熱がその要因のようです。雪は白くて太陽光をほとんど反射してしまい温まりにくくあまり溶けません。しかし木の幹は黒に近い色をしているので光を吸収して温まります。円柱形をした物体の反射は、その周囲に行き渡りやすく、太陽は東から西に移動するのでほぼ全周ムラなく温められた反射熱が届きます。そのため円形に木のまわりから雪が溶け始めるということのようです。




かろうじて残っている足跡を辿っていても、根開きと、気温が高い日が続いてきていることで、踏み抜きやすくなってきており、非常に歩きにくいです。




歳時記では、この現象を雪解星（ゆきげぼし）と呼んでいて、早春の季語としています。



私には木々や下草の、春を迎えようとする生命力のなせる業のような気がします。





よーしよしよしよし。シジュウカラも小さな鳴き声とともに可愛い姿を見せてくれました。





10：39　宮谷コース合流点通過
やや？生きていない標識のまわりでも根開きが起きているってことは・・・・
やっぱり生命力関係ないのかなぁ～？





11：03　歩き始めてから1時間以上たったので、いったん休憩します。倒木を潜り抜けたときザックの天蓋を思いっきり擦り付けてしまったようです。




夕方ではありませんが、一本満足バーでエネルギー摂取します。




スマホのＧＰＳで位置を確認。もうすぐで前回のぼった荒谷コースと合流しますね。
ただ、合流してからの登りがほんとにキツイんです！地図で見ても等高線がエグイことになってます。





11：37　荒谷コースと合流
荒谷コースに入った途端、これから登る人、下りてきた人、何人もとすれ違います。道も踏み固められていて萱谷コースとは比べものにならない歩きやすさです。




合流してしばらく歩いたヤセ尾根の上でキンタくんとすれ違いました。ご主人様の先となり後となり元気一杯です。




ただ、この先は・・・・恐れていた急登が始まりました！




登る方も降りる方も大変です。
追い打ちをかけるように、雪の状態も良くないのでなおさらキツイです。



　
ヘロヘロになりながらも、なんとか登り切ると・・・




11：55　北の社到着
山頂まではもうすぐです。でもガスガスでなにも見えません。天気予報よ！どうなってるんだ～。




山小屋のまわりもとうぜんガスガスです。





ここんとこ気温が上がってだいぶん雪も溶けたはずですが、まだ鳥居の一番上近くまで雪がありますね～




　
12：01　山頂到着
794・5ｍ＋積雪で、標高はかなり盛られているはずです。
幸い風が弱いので、外でランチのハイカーさんもいらっしゃいます。




私は小屋で昼食を・・・
中から話し声が聞こえてきます。
先客は3人いらっしゃいました。



　
今日は「サッポロ一番　大人の味噌ラーメン」にしてみました。
まだまだひよっこなので、大人と子供の違いは正直よくわかりませんでした。




壁には達筆で「日野山登山簿」と記されたノートが何冊も備え付けられています。



　
はじめて小屋に入りましたが、とても広くて立派ですね～
ただ、落書きが多くて残念でした。
これは明らかに大人と子供の違いですね。



　
おにぎり2個とカップラーメンを食べてカラダも温まったので、さあ、下山しましょう。
下りの急坂に備えてアイゼンを装着します。




12：45　下山開始
このころになってようやくガスが晴れてきました。

これは・・・・宿題が解るかも・・・・

というのも、去年12月に荒谷コースから登った時に、年間113回も日野山に登っている地元の方から、谷をはさんだ向かい側の斜面に幻の滝が見えるときがあると教えてもらっていたのですが、いまだ確かめていなかったのです。帰りに荒谷コースを途中まで戻ってみて捜してみましょう。




萱谷コースに続く尾根の手前は、



眺望が開けて、北陸自動車道が北に伸びる様子がよく見えます。





萱谷コースとの合流点を通り過ぎて、さらに荒谷コースを下っていきます。
岩と雪のミックスルートはまさにこのアイゼンのためにあるような道なのですが、岩の上はひっかかってまともに歩けません！めちゃくちゃ怖いです。




頂上まで850ｍの地点まで降りてみたのですが・・・・




ふたたび周りはガスに包まれてしまい、結局、幻の滝は幻のままでした。宿題はまたいつかに持越しです。





13：33　萱谷コース合流点戻り
通常の合流点は深い雪の下で足跡もなかったので、木の枝で印をつけておいた少し手前の林から萱谷コースに戻ります。ここまでの登り返しがまたキツかった～




振り返ると山頂への傾斜のエグさが良く解ります。




帰りは登りには気づかなかった風景を楽しみながら降りて行きます。




マンサクも咲いていました。本物を見たのは初めてです。




標高を下げるにつれて登山道の雪も徐々に少なくなり、




15：00　登山口戻り
帰りは気温が相当上がり、踏み抜きも頻発して大変でした。
かといってスノーシューを持ち出すほどでもないし、中途半端で難しい季節です。
こういう時こそワカンがいいのかもしれませんね。




ちなみにこの日のログです。山旅ロガー計測　7.4ｋｍでした。




としパパさん・・・
私は日野山おかわり・・・
とてもできそうにありません。　




さあ、ツギはどの山にのぼロウか？