
久しぶりに訪れた北アルプス。
以前と変わらぬ美しく雄大な姿で迎えてくれました。
一夜明けた今日は、これまで
未踏の雪倉岳・朝日岳に向かいます。
3日間の中で、一番長い距離の山行となりますが
果たして重いテン泊装備を担いで踏破できるのでしょうか?
1日目からの続きです。
14日 3:34 起床前日の19時頃にはテントで横になったものの、21時頃に一旦目覚めてからは
吹き付ける風と時折ぱらつく雨に翻弄されて
1時間おきに目が覚めてしまうという、熟睡にはほど遠いコンデション。
ビールを飲みすぎたこともあって夜中2回ぐらいおトイレにも行きました。

幸い雨が本降りにはならなかったので、床面が水浸しになることはありませんでしたが
雨の染み込みと、結露でテント内は水滴でびっしり。
それが風の振動で飛んで、寝ている顔やカラダにかかる度に起きてしまうことが何度もありました。
まっ、軽さを優先したシングルウォールのシェルターテントですから
これが普通なんですけど、以前の感覚を忘れてしまっているので
なかなかシンドイ一夜を過ごすこととなりました。

ただ、そんな中でもゴアテックス素材のシュラフカバーは大活躍。
テントの内側から落ちてくる水滴を弾き、シュラフや身体が濡れるのをシャットアウトしてくましたし
夜中急速に気温が下がっても、寒さをほとんど感じる事無く過ごすことができました。

おトイレや水場が混みだす前にテントを抜けだし、早めの撤収準備開始。

昨日の予報では朝から晴天のはずだったのですが
濃いガスガスに、強風と小雨が混じるトホホな天気。

テントを張っていた場所だけが乾いていますが、他はしっかり濡れていて
当然テントの外側もびしょ濡れ。
日差しも無く、乾かすヒマもなく、濡れたままザックに詰め込むしかありません。
濡れたテントは重さ倍増!グイグイ肩にザックが食い込んで。すでに痛い・・・(泣)
5:10 白馬頂上宿舎 出発最新の予報では、8~9時ごろから天気回復してくるとのこと。
それを信じて歩き出します。

今日のコースは、昨日通ってきた三国境まで戻り、
そこから北西に進み、雪倉岳を登って朝日小屋を目指すロングコースとなります。
6:14 白馬岳山頂 通過信州側から風雨が吹き付け、稜線上ではなかなか厳しいコンデション。
上半身ツルギジャケットライトを羽織っていたものの、下は普通のトレッキングパンツでしたので
あっという間に下半身は濡れ濡れ。
これだけ天気が悪い時、唯一の楽しみは・・・・

そう、
ライチョウしゃん!
かわいすなぁ~(*´∀`人 ♪山頂直下から、雛鳥を連れてちょこちょこ現れてくれました。
6:43 三国境 通過いっこうに雨が止みそうにないので、ここでレインパンツを穿きました。

三国境から先は、もう・・・・・
ライチョウ祭りっ!♪(/・ω・)/ ♪
まだ幼いライチョウや

お母さんライチョウのグループが次々と現れます。
この辺り、ライチョウさんの密度めちゃめちゃ高いです。

ワークマンシューズも雨ですっかり濡れてしまいましたが
ゴアテックスではないにもかかわらず、不快な染み込みなどは全くなく
グリップも不安無く歩いて行けます。
いや、マジでワークマン、ポテンシャル高いです。

そうこうするうち、7時過ぎから徐々にガスガスが晴れてきて
7:19 鉱山道分岐 通過あっという間に、快晴の青空が広がりましたヽ(´∀`)ノ
鉱山道は今から
7年前くらいにご近所さん1号と歩いたことがありますが
ここから朝日岳方面へは全くの未踏の地。期待と不安がよぎります。

眼前に聳える鉢ヶ岳のピークは通らず、中腹をトラバースするようなので一安心(笑)
10人ぐらいのハイカーさん達が先行しているようですが
同じグループなのかな?

砂礫の斜面には、
タカネマツムシソウ(高嶺松虫草)や
コマクサ(駒草)が朝日を浴びて輝いています。

先ほどまでは、雨風で寒いくらいだったのですが
日が差すと、直ぐに暑くなってきます。
レインウエアやジャケットを脱いで、夏山スタイルに。
濡れていたトレッキングパンツも、あっという間に乾いてしまいました。

行動食も摂取して
この先に待ち構えている、本日のメインデッシュ
雪倉岳への登りに備えます。
8:21 雪倉岳避難小屋 通過この小屋はあくまで緊急避難時の為だけのもので
宿泊を目的として山行計画に組み入れたり、周りでテント設営することもご法度です。
遠く離れた朝日小屋の方が管理委託を県より受けているだけですので
その労力と手間を考えると
軽い気持ちで利用したり、ゴミを残したり、汚したりすることは絶対に避けなければなりません。

ただ、この先は・・・・・
やっぱり緊急避難したくなるほどの(笑)
登り坂が延々と続きます。

おっ、見事な
ハクサンシャジン(白山沙参)
タカネナデシコ(高嶺撫子)も美しい。
ウスユキソウ(薄雪草)も可憐ぢゃないの!
などと写真を撮るふりして休息しながら進みます。

まっ、後から来るゲンジさんにはお見通しだったと思いますけど・・・(;´д`)
8:53 雪倉岳山頂(標高:2,611m) 到着
山頂からは昨日のスタート地点、蓮華温泉の建物や

本日の目的地、朝日小屋を見渡すことができました。
いやぁ~朝日小屋・・・まだまだ先は長いっす(涙)

南東には劔岳の雄姿も。
大変ご無沙汰しておりますが、当分お邪魔することはないかと(笑)

(ゲンジさん撮影画像拝借)
昨日通ってきた白馬大池から小蓮華山、白馬岳に繋がる稜線は
ぶ厚い笠のような雲にすっぽり包まれ、スゴイことになってます。
き、きょう、あそこ歩く予定でなくて、ホント良かった・・・・

ただ、いつあのぶ厚い雲が、峰を越えてコチラまで押し寄せて来るやもしれませんので
そろそろ出発しましょう。

そ、そんなに下げなくても・・・・って泣きが入るくらい
一気に高度を下げていきます。

カスミソウに包まれたギフトフラワーのような
タカネシオガマ(高嶺塩竃)や

ハートマークに見えるお池なんかもあったりして、なかなかロマンチックなルートです。

ただ、ロマンチックだったのはその辺りまで!
高度が下がり谷地形に入り込むにつれ、風は無くなり灼熱地獄に。
あてにしていた水場もすっかり干上がっており

瓦礫の涸れ沢が続く、試練の道となりました。

担いできた水分も残りペットボトル1本となったところで
ようやく生きている水場を発見し事無きを得ましたが、ちと危なかったです。
11:27 水平道分岐 通過ここまででさえ、小刻みなアップダウンを繰り返しヘロヘロだったのですが
この先も、
「水平道」といいながら全然「水平」ではないと聞き、テンションだだ下がりです(;´д`)

暑さもより厳しくなり、とても2000m超の高地とは思えません。
数少ない日陰で休憩も長めにとって、体力回復に努めます。

ええ、ええ、
これが「水平」ですもんね~
(怒゚Д゚)ノ
(ゲンジさん撮影画像拝借)それでも、ただひたすらに足を前に進めていると
前方の稜線に、
人工的な三角屋根のシルエットが・・・!
つ、ついにキターーーーッ!!!ヽ(´∀`)ノ
13:01 朝日小屋 到着
朝日神社へのお礼参りもそこそこに・・・・
おつかれさまっしたぁ~ヽ(≧∀≦)ノ昨日のビールも美味しかったですが
今日の暑さはハンパありませんでしたので、めちゃくちゃ美味しかったです(涙)

朝日小屋の周辺は、まさに桃源郷!
天空の箱庭のような美しさでした。

さあ、後は美味しいと評判の晩御飯を楽しみに

寝っ転がって、待つべし!
ハイシーズンでありながら
10畳くらいのお部屋に3人という夢のような部屋割り。
寝る時に身体を包むカバーを持参する必要はありますが
テントの設営や食事の準備に手間を取られる事無く
ゆっくりとした時間の流れを楽しむことができます。

女性オーナーの気配りがあちこちに感じられる、キレイで清潔な室内や
嫌な臭いの全くしないウォシュレット完備のおトイレなど、北アルプス最深部とは思えないほどの
快適さに感動しました。

極めつけは、やはり晩御飯ですっ!(*´∀`人 ♪
ふろふき大根・ホタルイカの沖漬け・煮物・昆布締め等々
滋味深い手作りの品々が並びます。
特にホタルイカの沖漬けは、
オーナーの清水さんが自ら富山湾で採ってきたイカを漬けた逸品で
抜群の美味しさでした。

宿泊者全員が集まり、食前酒のワインで乾杯。

当然、それだけぢゃ足りませんのでビールでも乾杯!

〆はその場で具材を入れて作る特製ラーメン!
ワンタンと、うずらの卵が泣かせます(笑)
18:40 日没遥か遠く
富山湾にかかる雲間に太陽が沈んでいきます。
長くて、暑い、
ハードな2日目が終わりました。
その最後にたどり着いた桃源郷の山小屋。
細やかな心遣いと、清潔な設備、そして抜群の夕食。
リピーターが多いのも頷ける、素晴らしいお家でした。
今、そのお家に夕日があたり、夜の帳が・・・・・
・・・・・んっ?・・・夕日!?
す、すいませんっ!
朝日小屋さんって・・・・・
「夕日のあたる家」でした。(´∀`*;)ゞ3日目に続く。さあ、ツギの日は蓮華温泉に戻ロウか?ちなみに今日のログです。



下り基調で初日よりラクだと思ってたんですけど
2日連続の寝不足とハンパない酷暑で・・・・ヤヴァかったです・・・(泣)
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