2014.12.14 約束の地を捜して 日野山荒谷コース（ソロ）

おかしいなぁ～？満を持してオープンしたトラットリア・ツギロウ。　オープンしたての時こそお客様がイッパイ来て下さったのに、ここんところ閑古鳥が鳴いているじゃありませんか？？？

シェフ～！た、たいへんです！大文殊に蕎麦処でぶ庵なるお店が出来て、毎日行列ができてますうっ！

な、なに～っ！？　大文殊～？あの地代の高額な一等地をよく借りれたなぁ。一体店主はだれなんだ？
な、な～にぃ～！？　で、で、でぶ岡ヨシロウ！　ウチの店の命の出汁が、思いっきり化学調味料（ajinomoto)であることを見破ったあの男か！

こりゃ太刀打ち出来ん！そうそうに引き揚げよう！
そして、もっと標高が高くて、もっと景色が良くって、もっと敷地の広い
マチュピチュのような空中庭園にあるトラットリアを造らなければ！

そう！この世の中のどこかにある約束の地（Promised Land)で・・・・






今年の8月に登ってから、4ヶ月ぶりの日野山(標高794.5ｍ）に行って来ました！同じ山でも夏と冬ではまったく別の顔を見せてくれました。

日野山は越前市と南越前町の境界に位置しています。かの泰澄大師により開山された越前五山の一つで、その美しい山容から越前富士とも呼ばれています。松尾芭蕉の「奥の細道」に記述があったり、さらに遡って万葉の歌人や紫式部の歌にも詠まれていたりと、長い歴史に彩られた信仰の山です。




今回は、ブログをリンクさせて頂いているあつぷりさんや、よっし～さんおススメの荒谷（あらたん）コースを登ってみました。（ちなみに黄色は8月に登った中平吹コースです。）真冬でも、トレースが途絶えることのない人気のコースとのことですので、めちゃくちゃ楽しみです。





国道8号バイパスを南下して、越前市に入り、「庄田」の交差点を左折し、1ｋｍ弱先の庄田町の集落を右折します。集落内を通り過ぎて、さらに直進すると登山口のある荒谷町に着きます。


　　
正面に見えるはずの日野山は、中腹から山頂にかけて、厚い雲の中に隠れてしまっています。




道路の突き当りに、登山口となる日野神社の鳥居が見えてきました。秋頃、登山口を捜して下見に来たときには、イノシシ除けの電熱線が張り巡らされていましたが、今日は何もなく、すんなり境内の駐車スペースまで乗り入れさせてもらうことができました。


　　
鳥居をくぐって、最上段の駐車場へ車を停めます。そして日野神社で山行の無事をお祈りします。




この週は、月曜日から忘年会が連日続き、飲んで食って、温泉入ってと、日本人の由緒正しい年末行事をこなす日々が続きました。はっきり言って、気持ちは緩みっぱなし、カラダは鈍りっ放しの一週間でした。おまけに土曜日はインフルエンザの予防接種まで受けましたので、気持ちも動きにもキレがまったくありません！




11：16　登山開始。
以前登った中平吹コースよりは少し短いようです。が、そのぶん急登が多いとのことですので気を引き締めて杉林の中を進みます。中平吹コース同様、登山道脇に地元の小学生が作ってくれた案内板がありました。100ｍ～150ｍおきに設置されています。シュールなイラストとカラフルな色彩に心和みますし、励みにもなります。



すぐに巨大な建造物が見えてきました。麓にあった案内板に記されている、北陸自動車道日野山トンネルの巨大換気塔のようです。



換気塔裏手の小さな橋や階段を越えると、より登山道らしくなってきます。このあたりはまだ雪もそんなに積もってません。


　　

　　


このあたりから、雪が一気に増えてきました！




11：40　鉄塔通過
ここらへんは視界が開けて、景色がいいはずなのですが、厚い雲で何も見えません。



細いですが、くっきりとしたトレースが残っているので、初めてのコースですが道迷いの心配はなさそうです。



と、舌のねも乾かないうちに、トレースが二つに分かれました。沢を横切る道と沢に沿って直登りの道です。どちらも同じくらいの足跡の量でどちらにいっていいものか悩みます。




沢のあたりをよーく見てみると、赤いリボンが雪の下にかくれていました。沢を渡って赤い→の方へ進みます。




11：58　西谷コース合流点
出会い頭にワンちゃんと鉢合わせ。ちょっとびっくりしました。後から来るご主人様をちゃんと待っています。



どこかで見たワンちゃんだな～？と思っていたら、あつぷりさんのブログに載っていた「キンタくん」にそっくりです。気づいた時にはもうずいぶん下に行かれてしまって、お声をかけれませんでした。うーん残念！


　　
雪は深くなる一方です。、遠くで地響きのような、雷のような音が聞こえて、足が止まります！
ここまでで、すでにヘロヘロ状態です。無理せず今日はこの辺で止めとこうかと思案していると、ソロのハイカーさんが登ってこられました。





あいさつすると、「もう何回も登ってるんでしょ？」と聞かれたので、「いやこの冬初めてなんです。」と答えるとちょっとびっくりされました。さらに「ぼくは年間113回登ってますよ。」とおっしゃるので、今度はこっちがビックリです。日野山にも文殊山のＳ大先輩のようなお方がいらっしゃいました！もっともこのお方は赤ではなくグリーンのヤッケでしたが。



少し晴れ間も見えてきましたので、気を取り直して先に進みます。先ほどのグリーン先輩はあっという間に視界からいなくなってしまいました。すごいスピードで登っていかれます。年間113回。やはりタダモノではありません！



今回もワークマンで買ったスパイク付長靴でチャレンジしていますが、ここまでは実に快適です。気温が低く雪が締まっているので、ガボッたり、滑ったりすることなくグリップ抜群です。グリーン先輩も今日はとても歩きやすいとおっしゃってまし
た。




12：29　萱谷コース合流点通過
正直この場では、合流点だとは分からないほどのたくさんの雪の量でした。




ガスと風雪も強くなってきて、視界も悪くなってきました。気温もかなり下がってきてるようです。




加えて今まで以上の急登が続きます。立ち止まる回数が激増します。息も上がってなかなか呼吸が整いません！まじで引き返そうと何回も思いました。完全に泣きが入ってます。



あともうちょっと先までいってみよう、あともうちょっとだけ・・・




12：41　北の社　到着
周りが開けた分、風雪が容赦なく吹き付けます。ですが、ここまできたら山頂へいかねばなりますまい！



休憩小屋に向かって足跡が続いていますが、まずは山頂へ・・・



奥の院ですが、まずは山頂へ・・・




12：45　山頂到着。

　　　・・・まずは山頂・・・・　チーン・・・・




・・・振り返って・・・チーン・・・・




・・・もういっちょ・・・チーン・・・・


さよなら、トラットリア。

約束の地は

ここではなかったようです・・・






12：47　速攻で下山開始！





登っている時には目に入らなかった風景。めちゃめちゃ綺麗です。
しばし見惚れていると、山小屋で休憩されてたグリーン先輩が降りていらっしゃいました。

「今日は見えないけど、雪解けがすすむと、正面の斜面に（幻の滝）があらわれるから、また来るといいよ」

貴重な情報をありがとうございます。絶対来ます！




13：09　西谷・荒谷コース分岐戻り
西谷コース方面にはトレースがありませんでした。




13：14　沢の分岐戻り



麓近くまで降りてきた安心感からか、急激にお腹が減ってきたので・・・



立ち食いおにぎり屋、開店。
すぐ閉店。
空が一層暗くなり、夕方にのようになってきました。
いそいで山を下ります。



下るにつれ、雪は緩み、泥が顔を出してきます。




13：38　日野神社戻り
なんとか無事戻ってこれました。御礼の参拝をします。



車に戻って、着替えをしてると、本物の雷が鳴り始めました。危ないタイミングでした。冬山では、お昼過ぎたらもう夕暮れ・すぐ日暮れぐらいに思ってないといけませんね。




車に乗ってしまえば、雷が鳴ろうが、雪が降ろうが天国です。


・・・約束の地って、どこなんでしょう？



うーん。

家に帰ってから、考えましょうか。

ゆっくりとね。





さあ、ツギはどの山にのぼロウか？