2014.11.30 残っていた宿題を その２ 越知山（ソロ）

その１からの続きです。
白山をはじめとする越前五山を開山した泰澄大師が、一番最初に修行した越知山（おちさん・標高612.8ｍ）へ行って来ました。本日二座目です。





吉野ヶ岳を下山し、福井市街をまるまる横断して、今度は西の方角へ向かいます。
県道6号線を使って、日野川を渡り、旧清水町方面へ車を走らせます。サークルＫがある「志津ヶ丘」の交差点あたりで県道3号線に切り替わります。ちょうどこのへんでお昼時となったため、交差点を曲がってすぐの「そば亭　鈴木」さんへ。




外観はまったく普通の田舎の民家ですので、お蕎麦ののぼりが立ってなかったら素通りしてしまうかもしれませんね。



　
中もまったく普通の田舎家つくりです。もうストーブがでてます。



三種類の味が楽しめる、三点盛りを注文しました。体調が悪くても、お腹は減りますっ！（キッパリ）




き、きました～。いつもなら平気なんですけど、今日は、三枚、ちょっと多かったかな・・・



一番手前が「塩おろしそば」です。おだしは最初からかかっています。
これはこれは・・・


左奥がノーマルの「おろしそば」です。おだしは別になっていますが、もちろん食べる時にはぶっかけます。
いやはや、なんとも・・・


最後が「もりそば」です。
本わさびの緑が鮮やかです。わさびをつゆに溶かさずに、蕎麦に直接散らして食べると、蕎麦とわさびの風味がより楽しめると教えて頂きました。
うーん。たしかにっ！





どれもおいしかったのですが、とくに本わさびでいただく「もりそば」が最高でした。



最後にこれまたおいしい珈琲のサービスがあります。



月・火がお休みです。

すっかりお腹も膨れ、居心地の良いお座敷で昼寝したくなってしまいましたが
あとひとつ、やることが残っているのです。





そば亭　鈴木さんを後に、県道3号線を織田町に向かいます。織田町に入ったら国道365号線に合流し、海岸の越前町方面へ向かう山中トンネルのすぐ手前で側道に入り、林道・越前西武3号線で、登山口のある花立峠を目指します。もっと手前にも花立峠につながる林道はあるのですが、複雑に入り組んで迷いそうだったので、少し遠回りになりますが、比較的一本道なこのルートにしました。



トンネル手前の側道へ。


　
落葉が積もった林道を、ゆっくりすすむと、途中、小六所山への登山口がありました。いずれはこちらも行ってみたいです。




14：12　花立峠到着。（はなだてとうげ・標高554ｍ）



1台、先行の方の車が停まっていました。
この峠は、かつて越知山への参拝者が草花を供えて白山を遥拝したことから、花立峠と名前がついたそうです。



今日は雲に隠れて白山はよくわかりません。




峠には、非常に綺麗な板張りのバイオトイレが設置されていました。中もほんとにキレイでびっくり。気持ちよく準備が整いました。





14：21　山のぼり開始。
正面の舗装された林道を進むと、武周ヶ池に降りるようです。



落葉がこんもり積もったブナの林を進みます。

花立峠が標高554ｍ。越知山が612・8ｍですから、
標高差はなんと58.8ｍしかないです。
うーん。これで登頂したといっていいのだろうか？と申し訳ない気持ちになります。



若干のアップダウンはあるものの、気持ちの良いハイキングコースといった感じです。体調が本調子ではない私にとってはちょうどいいかもしれません。


　
道端には破損が激しい石仏さんが点在しています。これは経年劣化などではなく、明治初期の廃仏毀釈運動の名残だそうです。




14：41　林道分岐の広場




広場を過ぎると展望台があるようです。






展望台までの途中にもいくつか石仏が残されています。かつては一丁（約109ｍ）ごとに設置され、参詣者がおおよその距離と時間を知る目安になっていたようです。




自生の椿が一輪咲いていました。色彩の乏しい冬枯れの森で、ひときわ鮮やかでした。




14：44　展望台到着







展望台からの眺望。福井・丹南の山々や、遠くにうっすらと白山連峰が見えます。







振り返ると、日本海に面した山々が見渡せます。




展望台から4～5分、さらに進むと、大きな電波塔が見えてきました。
国交省近畿地方整備局の無線中継所です。




ここからは、車も通れる広い林道となります。




林の向こうに神殿らしき建物が見えてきました。





14：51　殿池到着

「殿池」という名称は、織田信長公の乗馬が、この池に落ちたことからついたと言われています。別名「雨乞いの池」ともいわれ、干ばつときに沈んでいる織田信長公の鞍を引き上げ、池の畔の牡丹桜にかけて祈祷すると、必ず雨が降ったそうです。



また、池のほとりの井戸水はいかなる渇水の年にも絶えたことがなく、神経痛にも良いということで、その昔は堂守がこの水で風呂を沸かし登山参拝者に入浴させていたそうです。



殿池の向かい側に丸太作りのキレイなトイレがありましたが、入り口は閉じられていました。



風雪に長年さらされ朽ちかけた鳥居をくぐると室堂です。



境内にはひときわおおきな栃の木のご神木があります。一説には泰澄大師お手植えの木と言われているそうです。
幹回りは8ｍ以上、樹齢は1000年以上とのことです。



　
境内にはたくさんの石仏や石碑があり、いずれも歴史を感じさせるものばかりです。


　
大師堂と千体地蔵尊を抜けて、頂上へと向かいます。





御祓い参道と呼ばれている石段の道をゆっくり登っていきます。



　
途中、「縁結びの松」がありましたが、枯れ剥げていて、なかなかキビシイ状況でした。



このあたりの石仏にも廃仏毀釈の爪痕が数多く残っています。



さらに踏み固められた尾根道を進むと・・・



奥ノ院が見えてきました。



手前には、「臥行者の旧跡」という、泰澄大師のお弟子さんの行場が残されていました。
なんでもこのお弟子さんは暇があったらここで寝てばかりいたそうです。病気ではないのかと問われると、臥せながら心の修行をしているのだと答えたそうです。こんな景色のいいところで寝ながらの修行を編み出すとは、さすが泰澄大師のお弟子さんです。ただものではありません。




15：03　奥ノ院到着


　
頂上（標高612・8ｍ）を示す、標柱と三等三角点がありました。
しばし休憩のあと、来た道を引き返します。



15：13　越知神社　神殿
参拝し、今日までの感謝とこれからのいろいろをお願いしました。




これで、泰澄大師がおよそ1300年前に開山されたという越前五山すべて登ることができました。
ミッションコンプリート！残っていた宿題をやり遂げた気分です。



さあ、急いで峠に戻りましょう。日が傾き始めています。




15：39　花立峠戻り
峠にはもうだれもいませんでした。帰り支度をしていると、強く、冷たくなってきた風の音に紛れて


泰澄大師さまのありがたいお声が・・・　　

聞こえたような・・・








宿題はぜんぜん終わってないよ。

はい、これ！

冬の間に、しっかり仕上げておくように。



ありがとうございます。宿題をもらってうれしかったのは、

はじめてです。





さあ、ツギはどの冬山にのぼロウか？