2018.10.19~20 悠久の流れとともに 欅平~水平歩道~阿曽原温泉~下の廊下~黒部ダム その1
- 2018/10/25
- 04:00

昨年は台風の影響もあって、途中のオリオ谷までしか行けなかった黒部峡谷。
今年も、やや不安定なお天気ではあったものの、黒部ダムを目指して行って参りました。

珍しく金曜日に有給が取れたので、19(金)・20(土)の2日間で歩き、21(日)は予備日に当てるという
大変ゆとりのあるプランを立てることができました。
まず初日は、宇奈月温泉からトロッコ列車で欅平まで行き、そこから水平歩道を通って阿曽原温泉にてテン泊の予定です。
ただ、阿曽原温泉のテン場は定員30張。
決して広いテン場ではないので、特に紅葉の時期の週末は熾烈な陣取り合戦が繰り広げられます。
今回は金曜日での宿泊とはいえ、良い場所を確保できるかどうかが心配です(;´д`)

7:02 黒部峡谷鉄道 宇奈月駅 到着
福井を出たのは4時過ぎでしたので、3時間かからずに到着できました。

駅の真ん前にある駐車場は、ガラガラ!
さすが平日ですね~。

ネットで、始発を予約しておりましたので、ネット専用窓口で切符をもらいます。
一般の当日窓口が混雑している時期は、ネットで予約しておいた方がスムーズに手続きできると思います。
今回、ピストンではなく、黒部ダムへ抜ける予定ですので、欅平までの片道切符となります。
運賃は乗車券が1,980円ですが・・・・
ワタクシの場合、欅平までの約1時間20分はガッツリ眠りたいので、530円プラスで冷たい風が入ってこない窓付きのデラックス客車にしました。
ええ、困ったことは、すべてカネで解決するタイプなんです(笑)

始発は7:57です。
まだ発車までは時間がありますが、お客さんが続々と集まってきています。
ハイカー装備の方も増えてきました。

駅内の案内板でコースの状況を確認。
仙人谷以降は通行止めではありませんが、白竜峡の先にビックリマークがっ・・・
注意エリアありってことかな?

終点欅平の気温は10℃
去年より少し寒い感じです。

登山届もこの駅に提出できますので、記入して駅員さんにお渡ししました。

そうこうしてるうちに改札が開く、発車10分前が近づいてきました。
一般観光のお客さんも一気に増えて長い列となっています。

駅の売店には、富山らしいめちゃめちゃ美味しそうなご当地弁当が売られていました。
う~む・・・分かっていたら昼飯用のコンビニの惣菜パン買わずに、こっち買いたかったな~

定員制なので、切符が買えれば席は必ずあるのですが
やはり少しでも眺望の良い席を取るため、改札を過ぎると、皆さん我先にと客車に向かいます。
ワタクシは寝るだけなので、最後尾からのんびりと(笑)
ただ、テン泊らしきハイカーさんも結構いらっしゃいますので、終点に着いた後は
奴らを・・・ダッシュでぶっちぎらないといけませんな( ー`дー´)キリッ!

オープン・エアーな一般客車を通り過ぎ・・・

コレコレッ!デラックスですよ、やっぱり!!!(笑)
さっ、風の当たらない車内で・・・・・
ぬくぬくと眠りを(´ω`人)・・・・・って・・・・・・
・・・・・んっ!?

だぁーーっ!!!
前のおねえぃさんっ、窓全開ぢゃねーかっ!(つД`)ノ
だったら・・・ナゼ・・・・オープン客車に乗らないの・・・・?

9:11 終点欅平駅 到着
結局・・・・・
前の席から流れ込む冷気をモロに受け続け・・・・
こめかみが痛くなるほど、カラダが冷え切ってしまいました(;´д`)
えっ?睡眠・・・・!?
・・・・・・・寝れるわけないでしょ!あーたっ!(怒゚Д゚)ノ
とかなんとか、言いながら10分くらいは根性で寝た気がする(笑)
1

さっ、ここからは、テン場争奪戦の始まりです。
気を取り直して、わき目も振らず登山口へ!!!

9:20 登山開始
他のハイカーさんが駅の周辺を散策したり、一服したり、朝飯を食ったり、登山口を探したり、おトイレに籠ったりしてる今がチャンスです。
おトイレ(小)だけ済ませて、一直線に登山口へ!

最初から、結構な急登とハシゴ&アルミ階段が続きますが
これは昨年経験済み。躊躇なくガシガシ登っていきます。

10:10 水平歩道 始・終点 通過

この辺りからは、唐松岳~不帰キレットのギザギザ稜線がくっきり見えます。

さあ、ここから水平歩道の始まり始まり~!

岩壁に這わせてある番線や・・・・

丸太製の木道などを使わせて頂きながら、慎重に進んでいきます。

パッと見、丸太の木道などは、頼りなげに見えますが・・・・・
とてもしっかり巧みに設置されていて、緩みやガタつきなどは全く感じません。
ハリガネ番線も、去年より多く張り巡らされているようで、安心感が増した気がします。
ルートを整備されている方々の、的確で高い技術にはいくら感謝してもし切れません。

この辺りの紅葉は、まだ僅かに始まったばかりで、ピークは1週間~10日後くらいでしょうか。

ルート上には、比較的新しい落石が転がっているところも多く、ヘルメットは必須アイテムです。

そのうち、前方に最初のトンネルが見えてきました。
出口もすぐ先に見える小さなトンネルです。

10:45 蜆谷 通過

渓谷の対岸には、「黒部の怪人」と畏れられる奥鐘山が圧倒的な存在感で聳え立っています。

阿曽原温泉から北上してきたハイカーさんとのすれ違いも増えてきました。

蜆谷から20分ほど進むと、二つめのトンネル。
こちらも短くて、まだヘッデンは必要ありません。

現代のように切削の道具や機材が充分では無かったと思われる、100年近く前に造られた水平歩道。
気の遠くなるような作業の連続だったのではないかと思います。
オーバーでもなんでもなく、歩を進めるごとに驚きと感動が沸き起こってきます。

やがて前方に、残雪の大きな塊が残る谷が見えてきました。
志合谷(しあいだに)です。

この谷は、150mもある長いトンネルを使って通り抜けます。

トンネルは谷に沿って曲がっていますので、途中外の光は全く届きません。
またトンネルの内部も狭い上に、天井も低く岩が飛び出しているのでヘッデン&ヘルメットは必須です。

さらに足元は、岩壁から漏れ出た湧水がけっこう溜まっているので
防水機能の付いたミドルカット以上でないと靴の中まで浸水する可能性が高いです。
ましてローカットのトレランシューズなどは絶対止めといた方がいいです。

志合谷トンネルは5~6分で通過してしまうのですが、感覚的にはもっと長く時間がかかったような気がします。

そして再び外の世界へ。

今回、水平歩道&下の廊下に備えて履いてきたのは5.10(ファイブ・テン)のガイドテニー・ミッド・GTXです。
本来クライミングのポイントへ辿り着く為のアプローチシューズとして開発されていて、コンパクトで軽く
何よりも岩稜帯でのグリップ力がバツグンの、ステルスソールを採用していますので、とても安心感があります。
去年の劔岳アタックでも大変重宝しました。

志合谷からさらに10分ほど先に進むと・・・・・・・

水平歩道最大の、タ〇キュン・ポイント(笑)
大太鼓(おおだいこ)です。

とにかく視界を遮る草木が一本も生えていないのと、
もはや現実とは思えない谷底からの高度感が凄すぎて、喉がカラカラになります(;´д`)

看板には「撮影ポイント」と書かれていますが・・・・
あまりここでカメラを構えてウロウロしないほうが身のためかと(笑)

大太鼓を過ぎると、徐々に紅葉が鮮やかになってきた気がします。
標高的にはほとんど始点と変わってないと思うんですけど、日照の関係でしょうか?

特にモミジ系の赤色が鮮やか!

12:15 折尾(オリオ)谷 到着
水平歩道では唯一、岩壁の圧迫感が薄れてホッとした気分になれる谷です。
去年はここで引き返しました。

ちょうどお昼頃となりましたので、コンビニで買った惣菜パンを頬張ります。
標高差もありませんし、足腰的にはそれほど負担になってないと思うのですが・・・・
久しぶりに担いだテン泊装備の重さと、ずっと絶壁上を歩いているという精神的な疲れが
ボディーブローのように効いてきて、結構ヘロヘロです(;´д`)

天気予報では12時くらいから崩れる予報でしたが、いまのところ青空が広がっていますので
とてもありがたいです。ヘロヘロに雨が重なったらホントに辛いですからね~

それでもパンを食べきったら少し元気が出てきましたので、先へ進みましょう!
堰堤の中を通って、谷の対岸へ出ます。

志合谷トンネル同様、水がたっぷり溜まっていますので、靴の内部を濡らさないよう慎重に進みます。

12:31 折尾ノ大滝 通過
落差のあるとても立派な滝です。水場として利用する方も多いそうです。

その後も、いくつもの谷を越え、急激なアップダウンをハシゴでクリアし・・・

オリオ谷から約50分ほど歩いたところで
とうとう阿曽原温泉小屋が見えてきましたヽ(´∀`)ノ

心配していたテン場も、十分余裕がありそうです。

テン場の奥に、不自然に密着して立っている
二つのクロスオーバードーム・・・・・
う~む・・・怪しいっ!(笑)

13:35 阿曽原温泉小屋 テン場到着
結局、欅平からは4時間15分ほどかかりました。
テン場争奪戦のトップは誰にも譲らんっ!と頑張ってきたのですが・・・・・
途中、お一人のハイカーさんに・・・・思いっきりブチ抜かれちゃいました(涙)

そして・・・・・
テン場の奥で
尋常ぢゃない妖気を放ち続ける
二つのクロスオーバードーム・・・・・
ただ・・・・・
妙に見覚えがあるのは何故だろう(笑)
謎が謎を呼ぶ、その2に続く!
・・・・って
・・・・・・・バレバレやん(笑)
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