2018.8.18～19 遠すぎた橋 水晶岳～野口五郎小屋～烏帽子岳～ブナ立尾根～高瀬ダム （ソロ） その2

　あの稜線を超えて・・・・・
　
　・・・と、カッコよく水晶小屋を後にしたツギロウさん。

　北アルプス最難関レベルと言われる「日帰り水晶岳」

　果たして、無事クリアなるんでしょうか？


　その1からの続きです。





13:07　下山開始
　水晶小屋直下は赤土のザレた急坂となりますので、登りの時以上に慎重に降りていきます。

　おっと、その前に・・・・
　あるところに一本電話を・・・・・・。
　えっ！？どこかって・・・・？
　そ、それはまだヒミツです（笑）




ズルっといかないように・・・





東沢乗越を過ぎると、今度はゴロゴロの大岩エリアです。
ペイントはあるのですが、微妙に途切れていてルートをしばしば見失います。
晴天の時でも道迷うくらいですので、夜闇やガスガスの中ではもっと大変でしょう。
水晶小屋で泊まらず、なにせ引き返したかったのは、
この大岩エリアを、暗い夜明け前に通過したくなかったからでもあります。
天気予報も翌朝曇り予報で、「暗闇+ガスガス＝完璧道迷い」の危険もありましたしね。




加えて、小刻みなアップダウンが・・・・残り少ない体力を削っていきます(;´д｀)





14：53　真砂分岐通過
湯俣温泉に降りれる竹村新道が通行止めということで、そちらへ向かうハイカーさんは誰もいません。

真砂岳への登り返しも微妙ににキツイのですが、ツアーの団体さんのペースで後ろに付いていくと
ほとんど疲れを感じないゾンビ・モードに変身できることが解かったので、
間隔を保ちつつ、追い抜かないように付いて行きます（笑）





ゾンビ歩きが功を奏し、いつのまにか野口五郎小屋までもう少し。





15:50　野口五郎小屋　到着
さてさて、なんとか野口五郎小屋までは戻って来ましたが・・・・・
ここから三ッ岳を越えて烏帽子小屋までがコースタイムで2時間10分。
烏帽子小屋からブナ立尾根を下って高瀬ダムまでが2時間50分ほど・・・・・
このゾンビ歩きでは、とてもコースタイムでは歩けないでしょうし、
ブナ立尾根は間違いなく暗闇に包まれます。
奇跡的にノンストップでCTどおり進めたとしても
高瀬ダムに着くのは・・・・・・21時ちょっと前。
さらにさらに・・・・もうTAXIの時間は終わってるので
もう1時間渓谷沿いの道路を歩いて七倉まで帰らなくてはなりません。

すべてが上手くいって・・・・
22時か・・・・・・




・・・・・・・・。
す、すいませ～んっ！
やっぱ、今日泊めてくださぁ～～～い(つД`)ノ






「ああ、水晶で、宿泊の空きを確認してきた人ですね・・・・
電話でも言いましたけど、今日は多分・・・・
布団1枚に、お2人になると思うので・・・・」

ええ、そうなんです。
万一歩けなくなって、急遽お泊りになることも考えて
水晶を出る時点で確認の電話を入れておいたのは、ココだったんです。

ですので・・・・・・布団1枚に2人？・・・・・・
全然OKですっ！屋根の下で眠れるだけでもありがたいっすよ。はっはっはっ！！
と、豪傑ぶってみたものの・・・・・・




想像を遥かに上回る混雑ぶりに、ビビりまくりです(;´д｀)
先着の皆さんにご挨拶して、ギリギリ一人分の隙間に滑り込ませていただきます。
それでも皆さんイヤな顔一つせず、いろいろと声かけて下さって、とてもありがたかったですね～。





夕食は天ぷら中心のメニューでした。どの具材もカラッと揚がっていて感心しました。
さすがにエビ天は無かったですけど（笑）





夕食後は、もう速攻で横になります。
最終的に、「2人で1枚」ではなく・・・・
「3人で2枚」のお布団で落ち着きました。
こ、この違いは大きいですよっ！
まっ、ワタクシは丁度、3人の真ん中のポジションでしたので・・・・・
ほぼ、布団ナシで寝てるのと同じでしたが（涙）

と、とにかく、今日はお疲れさまっしたぁ～
おやすみなさ～いっ！！！




ちなみに、今日のログです。
七倉山荘から2ｋｍくらいまではトンネルだらけで、ログ取れてないので、
下の標高グラフではカットしてあります。




累積標高・・・・3854ｍって・・・・・
まっ、ウチのガーミンちゃん、けっこう盛るからね（笑）



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊







翌19日　2:30　起床
前日、周りの方々に、早出することをお伝えしておいたものの
なるべくゴソゴソ音を立てないように準備して、
OPP対策はお腹のガスばかりが出て、はなはだ不十分でしたが、そっと小屋を抜けだします。
意外と早出する人が少ないようで、がっつり寝てらっしゃる方が多かったです。





心配していた曇り予報に反して、お天気はド快晴っ！
ガスガスも全く無く、空に煌めく満天の星が凄すぎます。





3:10　野口五郎小屋　出発
さあ、烏帽子方面に向けて出発です。
一晩寝たことで、足の疲れもかなり取れ、だいぶ復活できました。
これなら今日は余力を持って下山できそうです。





野口五郎小屋には、結局18日の朝も晩もお世話になりました。
とても家族的な対応で、大変ありがたかったです。また来ますっ！




途中のゴロゴロ大岩エリアでは、かなり気をつけていたにもかかわらず・・・・・
一度ルートを見失ってしまいました。ゴロゴロエリアで、こんなに迷いやすいのって、ワタクシだけっ！？





4時半を過ぎると、徐々に夜が明けてきて、
5時前には朝焼けの中、遠くの山々が、雲海の上に浮かび上がってきます。
北東に見えているのは、新潟県の頚城山塊かな？






北には、針ノ木岳越しに、鹿島槍ヶ岳から連なる白馬三山のシルエット。





東の稜線越しには、オレンジ色の空をバックに富士山。






そして、雲海の上に日が昇ると・・・・・




辺りは、一気にオレンジ色に染まります。





南のお槍様ともそろそろお別れですね。
同じ日、「その1」でコメント下さったキヤパチーン暗黒卿ことKiya99様は、なんと奥様と大キレットを踏破されていたのですが、よーく目を細めてみますと
北穂の絶壁あたりにKiya99ご夫妻の仲睦まじいお姿が見えるような、見えないような・・・・・・

えっ！？あっ、そうでしたそうでした！
Kiya暗黒卿様は前日、道端の野イチゴを食べすぎたため、凄まじいゲーリーヤマモトに襲われ
この時間は、某個室に籠ってらしたんでしたね・・・(￣ｍ￣〃)ぷぷっ!

そ、それでも、その最悪のコンデションのままテン泊装備で大キレット踏破。
翌日には・・・・・ジャンダルム～西穂という日本最高難度ルートも御夫婦で踏破されたそうです！(◎_◎;)
う～むっ・・・・やはりダークサイドのフォースは人智を越えたパワーが渦巻いているんですね・・・(*・ω・)(*-ω-)ウンウン







ワタクシには、とてもそんな芸当はできませんので・・・・
大人しく烏帽子小屋を目指しましょう。





6：26　烏帽子小屋　到着





小屋前のベンチで休憩。
野口五郎小屋で貰った、お弁当代わりのおにぎりを頂きます。
今回の山行は寒さに備え、防寒ウェアやグッズ、着替え等をもってきたので、
小屋泊の割には荷物多めです。






6:41　烏帽子岳方面分岐通過
おにぎりを食べて、お腹も膨れました。
時間もまだ早いことですし、烏帽子岳（標高：2628ｍ）に寄って帰りましょう。





まずは、烏帽子岳の手前にある、ニセ烏帽子岳（標高：2605ｍ）へ。
近隣の燕岳と同じような、花崗岩の白い砂礫の道が続きます。





ニセ烏帽子岳を過ぎると、目の前にホンモノの烏帽子岳がそびえ立ちます。
・・・・と、先行していたハイカーさん達が立ち止まってざわついています。
も、もしや・・・・・・





おおおっ、ライチョウさんっ！ヽ(≧∀≦)ﾉ
今回は2日間ともお天気が良かったので
正直、ライチョウさんと出会えるのは難しいかなぁ～と思っていたのですが・・・・・





む、むしろ・・・一杯出てきました（笑）
どうやら家族のようですね～
目の上に赤い肉冠がついているのが、お父さん？




し、しっかし、丸々と太って、めちゃめちゃ可愛い！
来るべき冬に備え、食べ物が豊富な今のうちにしっかり蓄えてるんでしょうね。






いやぁ～嬉しい。
やっぱ、無理して1DAYピストンしなくて良かったのかな・・・・と、自分を正当化（笑）






おっと、ライチョウさんの撮影に夢中になってすっかり時間を忘れてしまいました。
先を急ぎましょう。
烏帽子岳の尖塔はとても巨大で、以前訪れた南アルプスのオベリスク（地蔵岳）の100倍以上はある感じです。





尖塔の取り付きまでやってきましたが・・・・・
なかなかの絶壁っぷり！
とくに最初の一枚岩は、皆さん降りるのに苦労されてました。




ツギの岩壁のトラバースも、それなりに高度感がある上に、足場が狭いのと、クサリの遊びが多いので
なかなかのスリルがあります（笑）





ほぼ靴幅と同じくらいの足場（汗）




少し広めの場所も砂でザレてたりして、安易な足運びはご法度です。






7:32　烏帽子岳　山頂到着（標高：2628ｍ）
それほど高低差はないので、岩場の取り付きから5分ほどで登ることができました。
山頂は水晶岳以上に狭いので、あまりまったりは出来ません。




早々に下山致します。




こ、このクサリの・・・タルタル具合が馴染めない（笑）





あとは再び白い砂礫の道を戻ります。





8:14　烏帽子小屋　戻り
近く感じましたが、烏帽子岳往復1時間半ほどかかりました。




さっ、あとはこの番号札の数字を増やしていくだけ！




今日登ってくるハイカーさんも沢山いらっしゃいました。
昨日も思いましたが、とても良く整備されていて、急なとこでも段差が小さいので
登りやすく、降りやすいです。





10:28　北アルプス裏銀座　登山口戻り




ああっ、また、あの恐怖の丸太橋を渡らなくちゃならないのか・・・・・と思いきや・・・・・





今日は、橋の上部にたっぷりの砂が詰められていて、隙間もなく安心して渡ることができました。
日々登山道を整備して下さる関係者様に感謝です。





昼間の濁沢って、こんなに真っ白だったんですね(◎_◎;)





10:38　濁沢キャンプ場　通過
今日も、誰一人テントを張ってる形跡なし（笑）




最後の長い吊り橋を渡れば、もうすぐダムサイトです。





昨日の夜は、全然気づかなかったけど・・・・・・
けっこう踏板が古くなっていたり痛んでいるところが多く、ヒヤヒヤしながら渡りました。




10：47　高瀬ダム　戻り
電話で予約しておいたわけではないのですが、
下山者を見越してフリーのタクシーさんが待っていて下さったので、ありがたく利用させて頂きます。





先ほどの登山口にいた、3人組の女性ハイカーさんが到着するのを待って
相乗りで、七倉へ。
タクシー代は2,100円ですので、4人なら1人あたり500円ほど！
めちゃめちゃ助かりました（笑）
運転手さんの話では、2日前の豪雨でダムまでの道路に3tクラスの大きな落石があったり、濁沢の丸太橋も流されたりして
通行止め状態だったらしいのですが、関係者の皆さんの驚異的な力で道路も、丸太橋も迅速に修復されたそうです。
そのおかげで、ワタクシ達がお盆最後の登山を楽しむことができたんですね。本当にありがとうございました。





11：10　七倉山荘前　戻り
すぐさま、七倉山荘の日帰り温泉を利用させて頂きました。
とても新しく清潔で、かつ風情もしっかりあるという、素敵なお宿でした。
いつか機会があれば是非お泊りで利用してみたいです。





と、とにかく・・・・・・無事に帰って来ることはできました・・・・
お疲れさまっしたぁ～(´∀｀*)









1日目、野口五郎小屋まで戻った時・・・・・・

まだまだ足は動きました。

膝も痛くありませんでした。

でも・・・・・・・

一番の推進力となる、気力が残ってませんでした。

お山に登り始めた4年前は、気力だけはめちゃくちゃあって

膝さえ痛くならなければ、

もっと遠くまで、もっと高くまで歩けるのに・・・・と思ってたんですけどね(;´д｀)

この濁沢の丸太橋。

ワタクシには・・・・・

「遠すぎた橋」だったようです。








さあ、ツギはどのお山にのぼロウか？





ちなみに、2日目のログです。








ちなみに、2日間のログを繋げたものです。





累積標高・・・・4,885mって・・・・・・・
ウチのガーミンちゃん・・・・夢が盛り盛り（笑）