2014.11.23 自分より強いヤツを倒せ。 鬼ヶ岳 （ソロ）

むかしむかし、

ある山に凶暴な鬼の一族が棲みつきました。

鬼たちは麓の村で残虐の限りをつくし、

とても村人の手には負えません。

その噂を聞いたツギロウは、

たった一人で、

鬼ヶ岳へ旅立ちました。




某清涼飲料水のＣＭのようなオープニングですが、悪鬼伝説の残る山。鬼ヶ岳に行って来ました。

越前市街地の西方に位置する鬼ヶ岳、その昔は丹生ヶ岳と呼ばれていました。いつのころからかこの山に凶悪な鬼の家族が棲みつき、村人や旅人を襲い、夜な夜な越前市の町まで出没し、荒らし回ったそうです。虐げられてきた村の若者たちはついに立ち上がり、まず白鬼（母鬼）を追い込み、日野川に架かる橋のたもとで成敗しました。この橋を白鬼女橋（しらきめばし）と名付け、山も同時に、鬼ヶ岳と改名したそうです。
　また、白鬼さんのダンナ、大鬼（赤鬼）さんも、村人に追われ、遠く、敦賀の赤崎海岸で討伐されました。





　まるで、横溝正史さんの推理小説の舞台になりそうな山ですね。

実は、まだ山のぼりを始めて間もない7月に、この山に登ったのですが・・・・


・・・・敗退しました。



そのときの、恥ずかしいログ。

ちょうど大鬼展望台と呼ばれる場所（標高約390ｍ）でまで辿り着いたとき、
突然目の前がまっ黄、黄になって、意識がボンヤリしてきてしまいました。
呼吸も全然整わず、むしろ苦しくなる一方です。

こ、これはマジでヤバイと軽いパニック状態でしたが、なぜかザックの中の飴を思い出し、取り出そうとしゃがんだときに視界に色が戻ってきました。かれこれ10分くらいは異常な状態が続いていたと思います。

まさに鬼どもの呪い！

決して、

①前日2～3時間しか寝てない睡眠不足
②午前中子供の試合を炎天下のグランドで応援
③飯は頂上で食えばいいやと超空腹のまま
④あほみたいにハイピッチで登った

上記四つが原因と思われる熱中症などではなかったはずです！


なにせそれ以来、すっかりトラウマになってしまい、素晴らしい山にもかかわらず、無意識に避けてきてしまっていたのです。ただ、これから冬のシーズンを迎え、修行（トレーニング）にも最適なこの山を、頂上未到達のままにしておくわけにはいきません！ほんとは誰かと一緒に行きたかったのですが、何故か皆都合がつかず、ソロでの山行となってしまいました・・・・。（まじでビビってます。）




　
14：17　武生市街を走る旧8号線（現在の365号線）を大虫口の交差点で曲がり、県道190号線に入り、村田製作所を左手に見ながら、さらにすすみ大虫町の街並みを通過します。
午前中、子供の用事や、カミさんのスタッドレスタイヤを交換したりしていたら、出発がずいぶん遅くなってしまいました！



　
左手にＪＡの大きなカントリーエレベーターが見えてきたら、登山口はすぐそこです。




14：27　登山開始。
イノシシ防止用の扉を開けて、いざ鬼退治へ！（手汗）


　
最初はゆるやかな道ですが・・・・




すぐに凶暴な鬼が現れます！
急傾斜で滑りやすい岩の上に、落葉が積もって、非常に危険です。
この山、登山口から頂上まで1.5ｋｍと非常に短いのですが、一気に標高差430ｍ近く登るため、非常に急登が続きます。そのため、白山や北アルプス登山のトレーニングに最適として人気の山でもあります。
今日も、カントリーエレベータ裏の駐車場は一杯で入りきれないようで、登山口前の道路に4～5台路駐していました。




14：39　小鬼展望台　到着(標高約210ｍ）



まずは・・・小鬼討伐！






一旦、平坦な木道となりますが・・・



今度は大鬼が牙を剝きます！





14：50　大鬼展望台　到着（標高約390ｍ）


　
大鬼展望台からは、麓の大虫集落がよく見渡せます。
前回、倒れ込んだベンチ！悪夢がよみがえります・・・が、今回は・・・




　大鬼も討伐！




ほっとしたのも束の間。今度は、白鬼が襲いかかってきました！





14：56　白鬼展望台　到着（標高約430ｍ）



標高もだいぶ上がってきました。


そして・・・白鬼も討伐！



　
またまた、木道と頂上まであとわずかの看板で油断させといて・・・・



最後の大ボスが現れました！




15：06　鬼ヶ岳頂上（標高533ｍ）到着
最後の大ボスは手強かった。ヘロヘロになりながら、山頂へ。
途中、父娘のハイカーさんとすれ違ったとき「そんな大きな荷物を担いで、山小屋にでも泊まるんですか？」と聞かれたので「・・・し、しゅぎょう・・いえ・・練習で・・・」と息を切らしながら答えると、「あぁ、わざと背負って、負荷をかけてるんですねぇ。なるほど～。」と納得されました。（いつもの32Ｌザックなんですけど・・・）
続けて、「それに比べおまえはなんにも背負ってないな～」と娘さんに無茶振りです。「おとうさんこそ全然ダイエットすすんでない・・・」「・・・・☆？」「・・・・・★！」　言い合いながら下山していかれました。
鬼の家族とは大違いの、ほのぼの父娘さんでした。




山頂にはだーれもいませんでした。さすがにこの時間はもう皆さん下山しちゃってますよね。


　
おや？やまびこさん。お住まいはこちらだったんですか？　いつもコメありがとうございます。




山小屋の近くに、ドウダンツツジでしょうか。真っ赤に染まってます。



　
大虫神宮　社跡に参拝しました。毎年8月15日にこの広場で雨乞いの神事が行われています。　「火祭り」と呼ばれる270年以上の歴史をもつこの行事は、麓の人たちがたいまつを手に手に山にのぼるそうです。お盆にたいまつって、相当キツそうですね。


　
展望台へ。すっかり日も傾き、冷え込みが加速してきました。
そろそろ下山しましょうか。

15：19　下山開始

下りは登り以上に気を付けないと。落ち葉と岩でよく滑ります。



もうだれもこの時間から登ってくる人はいないだろうと思ってたら、3組ぐらいのハイカーさんとすれ違いました。



　
わずかに残っている紅葉、黄葉に癒されます。




まわりが杉林に変わってきたら、登山口はもうすぐそこです。


　
ポールの忘れ物（？）と、クマ注意の看板。今日もクマさんに会わずにすみました。感謝。



15：54　登山口戻り






夕暮れが迫ってきました。
早く家に帰って、カミさんを、お友達との飲み会（ボジョレーですか・・・）の店まで送っていってあげなくっちゃ。





17：55　片町送り完了！

カミさんのツノも、すこしは引っ込んでくれたようで・・・・

めでたし、めでたし。




さあ、ツギはどの山にのぼロウか？