2018.3.25 独標のグルメ Season 1 西穂高岳 独標 (ソロ)
- 2018/03/28
- 23:50

独標(どっぴょう)とは・・・
独立標高点の略で、単に標高点ともいう。地形図上で、山頂・峠・道路の分岐点などの地点に
通常指示点(・)を示し、数値が添えられている。 (測量用語辞典より)
ど、どうも 人気深夜番組 「独標のグルメ」 主人公の井之頭ツギ郎です。
・・・・う~むっ・・・・辞典で調べてもイマイチ、独標と他の山頂との違いが良く分かりませんが(笑)
と、とにかく、北アルプスの北鎌尾根独標と並んで有名な
西穂高岳 独標(標高:2,701m)に行って参りました。

きっかけは、二週間ほど前に舞い込んできた、ご近所さん1号からのLINE。
絶景の北アルプスの山々を背に、抜けるような青空のもと独標に立つ・・・とても嬉しそうなオンサン・・・
け、け、けなるい(福井弁で「うらやましい」の意味)ぢゃないのっ!!
しかも、「ロープウェイでラクに日帰りできたよぉ~」とのこと・・・・・
これは・・・・北アルプス=遠征という固定概念を覆す
いわば、「日帰り山テロ」といえるでしょう(笑)

とはいっても、そこは3,000m級の山々が連なる北アルプス。
下界はすっかり春ですが、山上はいつ厳冬期の冬山に戻ってもおかしくありません。
お天気ナビゲーターで天気が良く、風もできるだけ弱い予報の日を待ちます。
幸いこの日曜日は1日中快晴!しかも未明~朝方こそ風強めですが、その後徐々に弱まる予報です。

7:05 新穂高温泉 市営新穂高第3駐車場到着
福井を3:40頃出発して、大野~白鳥経由で3時間半ほどで到着しました。
車は新穂高駐車場マップでP5と表示されている登山者用無料駐車場に停めます。
昨年のお盆休み、双六岳~槍ヶ岳縦走時にも、この駐車場を利用しています。
好天の日曜日なので満車になってしまうのが心配でしたが、思ったより空きがあり、登山者用連絡路に近い一番奥の段に停めることができました。

途中のコンビニで買ったおにぎりを食べて、準備を整えてから出発。

連絡路の雪は今朝の冷え込みでカチンカチンに凍り付いています。

県道沿いの県営公共駐車場(P3)は舗装工事?の為閉鎖中。

駐車場から5~6分歩くと、前方に新穂高センターやロープウェイ乗り場が見えてきます。
さらにその後ろにそそり立つ、雪を纏った北アルプスの山肌が眩しすぎる!

新穂高センターで登山届を提出し、超キレイなおトイレでOPP対策して準備完了。

7:57 新穂高ロープウェイ乗り場到着
ロープウェイの始発は9:00なのでまだまだ時間はありますが
始発に確実に乗りたいので、列に並びます。
この時点では先着の方は12~3名ほど(ほぼハイカーさん)でしたが・・・

15分ほど経つと、一般観光の団体さんなども加わってあっという間に長い列ができていました。

ハーネスやカラビナで武装したハイカーさんも多く
やはりここは穂高なんだと身が引き締まります。

8時半前には建物の扉が開かれ、チケットを購入することができました。
第一、第二ロープウェイの往復料金は2,900円です。
後から分かったのですが、麓のコンビニ等で前売り券を購入すると2,300円ほどに割引されるようです。
600円の差は大きいので、ツギからは忘れずに前売り券を買わなきゃ!

そして、またたく間に改札のあるフロアは人で埋め尽くされました。
9時始発だからと、のんびり構えていたら大変出遅れてしまうところでした(汗)

早い時間から並んだおかげで、始発に無事乗り込むことができました。

ロープウェイに乗った時点で、既に絶景だらけ!
うっすらと雪化粧したお槍様も間近に見れて、めちゃめちゃテンション・アップ!!
ただ、稜線ではかなりの雪煙が舞い上がっており、相当風が強そうです。

9:12 西穂高口駅 到着 (標高:2,156m)
ロープウェイを降りて、人の流れに身を任せていたら・・・・いつの間にか展望デッキに。
ここからの眺望を見るために朝早くから多くの人が並ぶのも頷けます。

気温表示板を手に記念撮影する一般観光客の方々。
で、でも「只今の気温 -7℃」は・・・ちょっと盛り過ぎかな?

改めて、これから向かう西穂高の稜線を眺めます。
予想以上のギザギザっぷりに・・・激しい動揺を隠しきれないツギロウさん・・・
独標って・・・確かに一番手前だけど・・・・
めちゃめちゃ険しそうぢゃないの!(◎_◎;)
「がーんだな・・・出鼻をくじかれた。」 by 井之頭ツギ郎

高度順化も兼ねていたとはいえ、展望台でまったりし過ぎたので、慌てて駅を出ます。
ここからアイゼン&ヘルメットを装着している方がほとんどなので、ワタクシも装着。

「雪の回廊」を通って、登山口へ向かいます。
この辺りは、遊歩道のように整備されているので、一般観光客の方々も沢山歩いています。

9:36 登山口通過
標識には、一般観光客さんがこの先に進まないよう、警告文が書かれていました。

2~3日前にまとまった降雪があったようで、木々にも足元にも新しい雪が積もっていますが
トレースはバッチリ踏み固められています。

気温は0℃~-1℃ 森の中は、ほとんど風が無いのでめちゃめちゃ暑く感じます。
強風に備えてシェルの下に着ていたフリースを、たまらず脱ぎます。

眺望が良すぎて、ギザギザっぷりと山肌の険しさにばかり目が奪われ、
あの稜線を歩いている自分が全然イメージできてません(;´д`)

それでも登山口から1時間ほどアップダウンのある森の中を歩いていると・・・

一気に視界が開け、正面に霞沢岳がドーンと現れました。

10:37 西穂山荘 到着

小屋の南には焼岳、さらのその奥には乗鞍岳。

テン場からは、霞沢岳、六百山が目の前に見える素晴らしいロケーション。
ここでもまったりしたいところですが、おトイレだけお借りして先へ進みます。

ここからは森林限界を超え、遮るものの無い稜線歩きとなりますので
皆さん、小屋前の広場で風対策を万全にしてから山頂へ向かっていきます。

ワタクシもネックウォーマーをして、シェルのファスナーをしっかり閉めて
首回りからの吹き込みをシャットアウトして強風に備えます。

最初の急登を登り切ると、行く手に独標とピラミッド・ピークがその全容を現します。

稜線からは前穂高岳~明神岳も間近に。

近づくにつれ、独標~ピラミッド・ピーク~西穂高岳への険しさが、よりハッキリしてきました。

11:04 丸山 到着
笠ヶ岳の特徴的な稜線も真っ白な雪に覆われ、さらに美しさを増しています。

その先の広尾根も、遠目には緩やかそうに見えたのですが、実際はなかなかのシンドさ(泣)
空気の薄さか、高度順化が十分でないのか、何度も足が止まってしまうハイカーさんも。

強風が吹き付けますので、皆姿勢を低くして雪庇を超えていきます。

そして、びっしりと氷雪に覆われた大岩を巻いていくと・・・・
いよいよ独標直下に到達です。

ルートは限られるので、譲り合って進みます。

斜面に付いた雪は大部分がカチカチではなく、適度に締まっていてアイゼンは効きやすいのですが
なにせ傾斜が急なので気が抜けません。

さらに表面は同じように見えても、古いカチカチに固まった雪や岩の上に最近の雪がうっすらと積もっただけでアイゼンが効かない場所もあり足の置き場、置き方には細心の注意が必要です。

加えてそれなりに高度感もあります。
よく、独標までは初心者でもイケる的なレポ見かけていたので、正直油断していましたが・・・・
ワタクシのような、お山レベルですと・・・・・
めちゃめちゃ危ないぢゃないっすかっ!Σ(゚д゚|||)

11:54 西穂高岳 独標到着(標高:2701m)
「お山に登る時はね 誰にも邪魔されず
自由でなんていうか 救われてなきゃダメなんだ。
独りで、静かで、豊かで・・・・。 」 by 井之頭 ツギ郎

ただ実際には、登頂を握手で喜び合う人・無線で下界と連絡を取り合ってるガイドさんらしき人・記念撮影を撮り合う人など入り乱れて
独りでの独標登頂でしたが・・・全然、孤独ではありませんでした(笑)

ひょっとしたらイケるんぢゃないかと自惚れていたピラミッド・ピークへの稜線ですが・・・・
眼前の迫力に負け、ここまでで撤退決定!
ワタクシのスキルでは、と~っても無理っす!!!

それどころか・・・・下りをしっかり降りれるか不安が膨らんでいきます。
続々と登ってこられますし、頂も決して広くはないので、早々に降りちゃいましょう。

う~むっ・・・・・
痛い痛い予防接種の順番を待っている小学生の気分です(;´д`)

春霞に浮かぶ白山連峰よっ!我に理力(フォース)をっ!!!!!

(「登山のテクニック」HP掲載画像より抜粋)
正直、下りは登りの3倍怖くって・・・・・
全く写真を撮る余裕はありませんでした。
数日前にまとまって降った雪が、普段なら足掛かり手掛かりになる岩をすっぽり覆っていたり
露出している岩も表面が氷雪で滑り、とても掴める状態でないため、三点支持がしたくてもできないのです。
特に斜度のあるところは、とても前向きでは降りれないので、上図のように斜面に正対して後ろ向きに降ります。
ピッケルシャフトの付け根をしっかり握って、雪面にピックを差し込み三点目のホールドとして確保してから下降しなければなりません。
ただ、後ろ向きは視界が効かないので、ツギに踏み出す足の置き場が確認しづらいというデメリットがあり
たかだか数メートルの下降に、時間と精神力を要した場所もありました。

なんとか独標直下から鞍部に降り、広尾根に戻った時は、心底ホッとしました。
まかり間違ってピラミッド・ピーク方面へ足を踏み入れていたらと思うと、今でも冷汗が出てきます。

稜線の気温は・・・3℃・・・?
体温を拾ったのか、実際そこまで気温は高くない気がしますが、少し足元の雪も緩んできたようです。

プチモンスター達も、カラダの骨がどんどん露わになってしまって、ちと恥ずかしそう(笑)

12:35 西穂山荘 戻り

アイゼンを外し、ヘルメットも脱いでと・・・・・
カ、カエル君・・・・・今回もお世話になったね。ありがとう!

「うおォン もはや空腹も 玄界灘」 by 井之頭 ツギ郎
そして、今回の山行のマスト・アイテム
有名な山荘名物、西穂ラーメンゲット!!!!
沸点の低い高山帯にある山小屋としては珍しい生麺を使用しています。西穂山荘の標高だと沸点は90℃
通常の生麺ではなかなかうまく茹で上がらないのですが、ご当地「高山らーめん」の極細ちぢれ麺を使用することでその問題をクリアしているとのことです。
こだわりの材料をロープウェイで常時使用できるため作れるというスペシャルスープと相まって大変美味しく頂きました!
ツギは信州味噌をスープに使っているという味噌ラーメンにしよう(笑)

その後、再び森を抜け・・・・

13:55 西穂高岳駅口 戻り
ここではまったりせず、帰りのロープウェイが混みだす前に、さっさと降りちゃいましょう。

さらばっ!西穂高岳。また来ます。

14:42 新穂高ロープウェイ駅 戻り

新穂高センターで下山届を提出して帰ります。

14:54 市営第三駐車場 戻り
このまま急いで帰れば、19時前に福井に帰れるでしょう。
日帰り山テロ 任務遂行致しましたっ!( ̄^ ̄)ゞ

ええ、もちろん「西穂ラーメン」も美味しかったですが・・・・・
ここでは、「青空」がおかずでした。 by 井之頭ツギ郎
さあ、ツギはどのお山にのぼロウか?

ちなみに今日のログです。

またまた最初GPSを入れ忘れてしまい、途中からのグラフとなってしまいました。
どーも、ずびばぜん!
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