2017.10.1 劔、ふたたび。 早月尾根～劔岳 1dayアタック （ソロ）

　はぁ～(*´Д｀)
　もうそろそろ北アルプスのシーズンも終わりか・・・・・
　巷では、小屋閉めの便りも届いてきてるし
　今週あたりラストチャンスなのに、連休は取れないし
　日帰りで、北アルプスなんて・・・・・・んっ！？
　
　い、いや・・・・・・・あるぢゃないか・・・・・・・・
　日帰りでイケる北アルプス・・・
　
　そう・・・・早月尾根からの劔岳がっ！




　　　（ヤマレコの便利機能「ヤマプラ」の画面から抜粋）

　早月尾根は、富山県上市町の馬場島から、早月小屋を経由して劔岳山頂に至るルートです。
　地図上の距離は往復14.5ｋｍと、それほどではないのですが・・・・・問題なのは、その標高差です。
　馬場島の標高：750ｍ。劔岳頂上：2,999m。
　ええ、実に標高差2,249mもあり
　その傾斜のエグさは北アルプス三大急登の一つに数えられています。
　登り7.3ｋｍのコースタイムは・・・・9時間10分！(◎_◎;)
　往復14.5ｋｍで15時間30分！！！(◎_◎;)(◎_◎;)
　朝4：00に出発して・・・・標準CTで歩いたバヤイ、休憩無しでも・・・・帰着19：30・・・・

ダ、ダイジョウブカ？・・・・・・オレ・・・・(;´д｀)





2:20　馬場島荘前駐車場　到着
福井の自宅を23時すぎに出発し、ほぼ3時間ほどで到着しました。
仕事を終えて、着替えて、荷物を積み込んでとバタバタでしたので、
睡眠時間、ゼ～ロ～！(;´д｀)
馬場島荘の真ん前に、奇跡的に一台分の空きがあったので車を滑り込ませました。
少し仮眠しようかとも思いましたが、寝たら最後・・・二度と起きれない気がしたので
そのまま準備し始めました。




馬場島荘前の駐車場は満車でしたが、すこし手前にはいくつか駐車可能なスペースがあり
そこはまだだいぶ余裕がありました。
登山口までは200ｍほどキャンプ場？の中を歩いていきます。




登山口周辺にはいくつか石碑が建てられており
中には、劔岳へ向かう心構えを問いかける内容のものも・・・・

「心身とも鍛錬された人々よ来たれ」
「掟は厳しい　力と勇気をもって苦難に挑め」
・・・・・・・・。
やっぱ帰ろうかな・・・・・・σ(ﾟ∀ﾟ )ｵﾚ





おおおおっ！
そして、コレが・・・有名な・・・・「試練と憧れ」の石碑っ！
いままで数えきれないほど多くのハイカーさんが、この石碑の前に立って、
それぞれの思いを胸にチャレンジしたのだ・・・・・・
一気に、眠気も弱気も吹き飛びましたっ！




3：09　アタック開始




登山口に埋め込まれたプレートには、山頂までの距離と標高が記されています。
これだけ見ると、それほどハードな気がしないのですが・・・・




ぐはぁ！！！
の、のっけから、段差のある階段と、根っこが飛び出した急登がお出迎えです（泣）




登り始めて30分ほど過ぎると、一旦平坦となりベンチや道標が設置されています。
早月尾根にはこの道標が一定区間ごとにあり、ペースや残り距離を掴むことができます。
ただ、若干正確さに欠けるという噂もあり（笑）
あくまでも目安程度に考えていた方がいいかもしれません。




登山道脇には、ところどころビックリするくらい大きな檜が立っており
ちゃっかりパワーを頂きます。




標高1,400mを超えたあたり、富山の夜景がとてもキレイに見渡せます。




登りはじめは誰も居なかったのですが、先行のハイカーさんに追いついたり、
逆に後発の方に追いつかれたりしますので、ナイトハイクですがあまり心細さは感じません。




5：04　標高1,600m地点通過




さらに進むと、徐々に辺りが白み始めてきました。
夜明け前の気温は4℃　かなり冷え込んでますが、
なにせ急登の連続ですから、長T短Tの重ね着だけでも全然寒くありません。




ダケカンバ帯のはるか向こうには、グラデーションに染まる日本海の水平線。
今日は、雲一つない良いお天気です。




標高が上がるにつれて、辺りの木々が黄色や赤色に染まっていきます。




後方の、朝陽に染まる山塊は、赤谷山（標高2,258m）と白萩山（2,269m）かな？




おおおおっ！
前方の稜線には、有名な、トトロ似の岩が！（笑）




6：13　標高2,000mの標識通過




この先はボーナスステージなのか♪・・・と思いきや・・・・・




や、やっぱし・・・・・（泣）




ただ、急登の先にある、大きな一枚岩を乗り越えてさらに進むと・・・・




とうとう、早月小屋が見えましたっ！ヾ(o´∀｀o)ﾉ




6：54　早月小屋　到着（標高：2,200m）



小屋の入口には、「これより上は凍結」と・・・・




「大きい熊目撃」の警告板が・・・・・
おいおい、昨日のことぢゃねーか！Σ（ﾟдﾟ|||）




ま、まずは広場のおトイレをお借りして、この先の長丁場に備えなくては！
「大」の場合、真ん中の部屋だけトイレットペーパーが僅かに残されていましたが
基本的には紙無しのようですので、自分で用意する必要があります。
も、もちろんワタクシは・・・・うっかり丸腰でしゃがんでしまいましたが・・・・・
その・・・僅かなふた巻きほどで・・・・
拭き切りましたよっ！( ｰ`дｰ´)ｷｯﾊﾟﾘ




軒先の水は凍り・・・



草木には霜が降りていましたので、この辺りは昨晩、氷点下まで気温が下がったようです。




ここまでの急登以上に、先ほどの個室で踏んばってしまったので
しばらく休んでいると、もう寒くて寒くて仕方ありません！
思わず、モンベルのストームクルーザーを羽織ってしまいました。




カラダを止めていると冷える一方なので、慌てて劔岳頂上アタックの準備です！
広場の端っこにトレッキングポールをデポさせて頂き、ヘルメットを着用します。




7：23　山頂アタック開始




7：52　標高2,400m通過




この辺りから、俄然、岩々しくなってきて険しさが増します。




鎖場や・・・・




岩から突き出した鉄杭の足場・・・・・・・




ザレまくりの急登・・・・・
まっ、登りはともかく、下りがヤヴァそうなルートが連続します。




8：32　標高2,600m地点通過





この辺りは、チングルマの綿毛と草紅葉が見事で、しばし癒されました。




そして・・・・・
激登り、ふたたび！




早月小屋の警告どおり、岩場の手掛かりや足場になりそうなところに
分厚い氷が張っていたりしてビックリ！




9：20　標高：2,800m地点通過
道は険しいのですが、同志のハイカーさんと入れ替わり立ち代わりになるので
モチベーションは高いまま登って行けます。




徐々に、山頂も近づいてきました。




この辺りが「カニのはさみ」と呼ばれている岩場のようです。




有名な一本ボルトの足場ですが・・・
ボルトのすぐそばにも足場があり、これって使わなくてもいいんぢゃ？（笑）




さらに高度を上げていくと・・・




別山尾根との合流点に！
山頂まで、あと僅かっ！！！




10：02　劔岳　山頂到着　（標高：2,999m）
劔、ふたたび！ヽ(≧∀≦)ﾉ




源次郎尾根のてっぺん、ふたたび！
・・・・・って・・・・・・やっぱ・・・・弱々しいなぁ～（笑）
こ、腰が引けてんだな、腰が・・・・




また、この景色を見ることができました。




今回は、富士山も見逃しませんでしたよっ！




劔沢雪渓も、錦に染まっています。
ゲンジさん・・・いるかな？（笑）




山頂は風も弱く、すっかり気温も上がり天国のようですが




険しく、長い帰路が待っています。ぼちぼち下山しましょう。




不用意に足を滑らしたりすると、かなりヤヴァイところが一杯あるので全く気が抜けません！
一般的には別山尾根より岩場の難易度は低いと言われている早月尾根ですが・・・
鎖の無いザレザレの激下りも多く、危険度はむしろ高いかも！




ところどころ現れる、傾斜の緩い稜線で、歩きながら休息。





あっ、早月小屋が見えたっ！

それで、すっかり気が緩んだのか・・・・
寝てない疲れが今頃出て来たのか・・・・・



垂れ下がったロープに釣られてルートロスト！
分岐にあった「立ち入り禁止」の看板に全く気づかず、ロープを掴んで谷に向かって数十メートル下ってしまいました。
幸い後ろにおられたハイカーさんが気づいて声をかけてくださったから良かったようなものの
あのまま直進していたら、足元の踏み固まってないザレ岩ごと滑落していたかもしれません。
正しい稜線に出て、振り返ってみると、まず間違えようのない所なのですが、何の疑いもなくロストしてしまいました。





12：50　早月小屋戻り
先ほどのルートロストで一気に眠気は覚めたものの、その後の下りに超ビビってしまいヘロヘロで到着。




倒れるようにベンチに座って、カップラーメンで、遅い昼食です。
小屋が見えてからが長かった・・・・・。




疲労困憊でしたが、カップラーメンをお腹に入れて
OPP対策を再び完了したら、だいぶ復活しました。
さあ、時間がありません。早月からの劔岳を目に焼き付けて下山しましょう。




疲れたカラダに、段差のある急坂が続くので、膝を痛めそうです。
ポールを最大限使ってヨチヨチと下っていきます。




後続のハイカーさんたちにボロ抜かれですが、もうヨチヨチしか歩けません（泣）




それでもなんとか最後の激下りを降りきって・・・・




16：52　登山口戻り


まさに・・・・・

試練と憧れ。

ワタクシには、手強すぎましたが、

また、守ってもらったようです・・・・・。





カエル君・・・・・・ありがとう・・・・・。






さあ、ツギは・・・・・・まだ、内緒！（笑）








ちなみに、今日のログです。



ゲンジさん　あのステッカーの御利益・・・・・
スゴイっす！