2017.7.8～9 ＃水の山、行ってきた。 北岳 （ビール好きお仲間と） その1

　
　目に見えるものだけを

　信じてはいけないよ

　人生の岐路に立つ標識は

　在りゃせぬ

　

　　　　　　　　宇多田ヒカル　「道」　より







　ビール好きお仲間の皆さんと、北岳に一泊二日で行く計画が持ち上がりました。
　北岳は、山梨県南アルプス市にある標高3,193mのお山です。
　富士山に次ぐ日本でNo,2の高さを誇り、「南アルプスの盟主」とも呼ばれています。
　また、山域には「キタダケ」を冠するいくつかの固有種が自生しており
　なかでも、北岳草（キタダケソウ）と呼ばれるお花がこの時期限定で咲いているとのことですので
　たいへん楽しみな山行になりそうです。





初日は、広河原（ひろがわら）登山口から大樺（おおかんば）沢の雪渓を左俣コースで直登し、
八本歯のコルからトラバース道を通って、テン場のある北岳山荘へ。
北岳は大変人気のお山で、相当な混雑が予想されますので
最短コースでテン場を目指します。
ヤマレコの便利機能、「ヤマプラ」でシュミレーションしてみると、コースタイム6時間11分。距離5.6ｋｍと算出されましたので
テン泊装備とはいえ、心ひそかに楽勝かと思っていたのですが・・・・・





4：15　芦安地区市営駐車場　到着
福井の某ICに前日の23時頃集合。高速道路を乗り継いで5時間強で到着しました。
登山口のある広河原まではマイカー規制区間がありますので、ここからバスかタクシーに乗り換えることとなります。





気温は21℃の表示でしたが、かなり肌寒く感じました。






今回のメンバーは、いつもの心強いお仲間としパパさん、ゲンジさん・・・
ゲンジさんは今回、行先の発案＆車の提供＆運転を買って出て下さいました。誠にありがとうございます。





隊長はもちろん、平成の泰澄大師こと、あつぷり師匠。
少し目を離すと、すぐまったりするメンバーを・・・・仁王立ちでガン見しています（笑）





そして、福井山のぼり界のレジェンド・オブ・レガシーことなっきーさん・・・・・と・・・・
・・・・・・・く、く、隈取！？





いえいえいえいえいえいえいえいえいえいえ！
隈取（くまどり）が目の前カットインしてくるわけねーしっ！！！








そ、そう・・・・・こ、こ、このお方こそ・・・・・・
Kabukiya（かぶきや）さんですっ！(ﾟ△ﾟ;ﾉ)ﾉ
その正体は、なっきー軍曹の最強かつ最凶の相棒っ！
ソロでも驚異的な異次元ハイクをなさっているお二人ですが
タッグを組んだ時の破壊力は凄まじく、
世界最強タッグ決定リーグ戦で、ジャンボ鶴田と天龍源一郎の「鶴竜コンビ」を破って優勝した
スタン・ハンセンとブルーザ・ブロディの「超獣コンビ」を彷彿とさせるほどですな。
し、しかも・・・・
ホンモノのプロレスラーのように身体がデカいっ！
隣に写っている交通整理の小柄な方のおじいさんが、身長1.5ｍほどだとすると・・・・
・・・・・やはりこの御仁も・・・・3ｍおじさんだったか・・・・
・・・・・としパパさんに続き、二人目の3ｍ超え（笑）





生憎、乗合タクシーはすべて埋まっており、係員の方にバスに乗るように勧められました。





ワタクシ達が並んだときは、割とすんなり乗車券が買えましたが
数分後には大人数の列が出来ていました。危ないタイミングゥでした。




運賃は、1,030円ですが、マイカー規制協力金なるものが100円追加でかかります。




4：51　山梨交通バス乗り込み
乗車券はバスに乗り込む時だけでなく、下車する時も必要となりますので
取り出しやすい所に仕舞っておいた方が良いです。
幸い座席に座ることができましたが、ワタクシ達より後から乗車の方は
立ったまま、ギュウギュウ詰めでバスに揺られなければなりません。
広河原までは1時間ほどかかりますので・・・・・これは辛いっす！




6：20　広河原インフォメーションセンター到着
バスの中で、少しウトウトできましたので多少カラダが軽くなったような気がします。




インフォメーションセンターで、おトイレや準備を整えてから、登山口に向けて出発。
「おおおっ！もう北岳の稜線が見えるっ！！！」
予想以上の好天にテンションアップするお仲間の皆さん。
早くも、隊列は乱れ気味（笑）




野呂川に架かる、大きな吊橋を渡って登山口に向かいます。




6：36　広河原山荘到着
北岳登山のベースとなる山荘で、テン場もあります。多くのハイカーさんで賑わっていました。
広河原インフォメーションセンターのおトイレは大混雑でしたので、ここまで来ちゃってから用を足すのもアリですね。




6：38　登山開始




しばらく荒天が続いていたためか、この週末はハイカーさんがどっと押し寄せており
序盤から渋滞が発生！




1時間ほど登ったところにある沢で、一旦休憩。
気温は13℃　若干渋滞はやわらいだものの、ホントにハイカーさんが多くて
テン場が確保できるか、かなり心配でした。




再出発して間もなく、左手に大きな雪渓が現れました。





8：19　大樺沢二俣到着
ここから右俣コースを通って、肩ノ小屋へ向かえば、残雪無しで北岳へ到達できます。
ただ、テン場の確保が最優先の我々は、このまま雪渓の左俣コースを直進。
その先の八本歯のコルを経由して最短コースで北岳山荘を目指します。




　　　　（あつぷりさん撮影画像　拝借）
急登の雪渓に備え、アイゼン装着。
5月の終わり、チェーンスパイクで臨んだ白山で、スキルの無いワタクシは
緩んだ残雪に全く踏ん張りが効かなかった苦い経験を踏まえ
少々重くなるものの12本爪のアイゼンを持ってきました。





準備を整え、いざっ、本日のメインイベントへ！（怖）




う～むっ、あつぷり隊長カッコイイ！！！
後ろ姿が実に絵になるフォトジェニックなお方です。
えっ？ま、前からですか？？？
そ、そ、そんな・・・・偉大な師匠を真正面から撮るなんて・・・・
ワタクシには恐れ多くてできないっす（笑）




柔らかかろうが、硬かろうが
雪上の超絶スキルで、幾多の伝説を創り上げてきたなっきーさんは
チェーンスパイクでスイスイ登っていきます。

おっ、そうだ。
もう一人のレジェンドは・・・・？



と、と、飛び六方っ！？（ﾟдﾟ|||）
いやぁ～市川猿之助の勧進帳は最高だねっ・・・て・・・・
ここは、歌舞伎座ぢゃないんですよっ！かぶきやさん（笑）





　　　　（なっきーさん撮影画像　拝借）
走るどころか、足を前に出すのもキツイ傾斜なんですけどね～(;´д｀)
これを駆け上がっていくって・・・・
やはりタダ者ではありませんな。




なっきーさんは、麓から全く変わらずニコニコ。息一つ乱れてません！
まっ、なっきーさんがツライ顔してるとこ・・・いままで見たことないんですけどね（笑）




雪渓と格闘し始めてから、1時間弱・・・・
やっと雪渓の終わりが見えてきました。





夏道が再び、現れたポイントで休憩。




12本爪のアイゼンはワタクシにとって、正解でした。
チェーンスパイク装着時のような微妙な滑りが軽減され
急登の緩んだ雪面を確実に登っていくことができました。





とはいえ、メチャクチャ疲れましたので、
梅肉チューチューで、ドーピングゥ（笑）




今回、なっきーさんとあつぷりさんとワタクシが担いできたのは、ゴッサマー・ギアのザック。
なっきーさんのザックは、師匠とワタクシが担いできた「マリポサ」（容量59L）よりひと回り小さい「ゴリラ」（容量46L）
同じテント一泊装備でありながら、なっきーさんとあつぷり師匠はコンパクト＆バランス良くパッキングされているのに対し
ワタクシのザック（右端）は・・・・・
酷いカタチ(;´д｀)
ULザックは、力量の差がモロに出ますなぁ～
ただ、軽さの恩恵＆収納のしやすさは、十分に感じることができました。
今後の山行でも手放せなくなりそうです。




　　　　　（あつぷりさんに撮影依頼）
かぶきやさんに、ふくらはぎタイマン勝負を挑むも・・・・
大人と子供ほどの違いがあり・・・・全く勝負にならず（泣）




樹林帯では、低かった気温も
遮るもののナニも無い雪渓では、かなり上がってきました。





途中からペースダウンした、としパパさんとゲンジさんが、下の雪渓で時間をかけて休憩されています。
経験豊かなお二人ですし、上から覗き込んで待っているのもプレッシャーになると思い
あえて先に進むことにしました。

ただ、その先が・・・・・






＃うわまじか

雪渓が終われば、稜線までスグソコぢゃないかと勝手に思い込んでいたので・・・・
急登の丸太階段がキツイのなんのって・・・・
しかも、延々と続きます（泣）




右手にそそり立つ岩壁「バットレス」を横目に見ながら、ヘロヘロで登り切ると・・・・




10：36　八本歯のコル到着
後方には、八本歯の頭への階段が見えています。





さすがに、ここからは緩やかな稜線歩きになるやろと思っていたのですが・・・・




＃うわまじか・・・・（二回目）




11：06　トラバース分岐到着
もう、ワタクシはアップアップでしたが・・・・
先行するターミネーター3体は・・・・・全く余裕(;´д｀)





かなりガスに包まれてきて、眺望は無くなりましたが
嬉しいことに、ここからはお花の楽園が広がっていました。





深山苧環（ミヤマオダマキ）と岩弁慶（イワベンケイ）




黄花石楠花（キバナシャクナゲ）




白山一花（ハクサンイチゲ）




信濃金梅（シナノキンバイ）




長之助草（チョウノスケソウ）





険しいトラバース路も苦にならない、見事なお花畑が続いています。




い、いや、まぁ・・・・
ちょっとは、おっかないんですけどね（笑）




　　　　（なっきーさん撮影画像　拝借）
心配していた残雪も、これだけ。
難なく通過できます。
っていいながら、危うく滑り落ちるとこでしたが（笑）




お花の競演の大トリは・・・・・
やはり、北岳草（キタダケソウ）
やや終盤のようでしたが、ギリギリその可憐な姿を見ることができました。




あまりお花に興味がないとおっしゃっていた、かぶきやさんも・・・
思わず見得を切るほどの美しさ！




岩雲雀（イワヒバリ）君も思わず飛び出してくるくらい、「見得」がキマりました（笑）





そうこうしてるうち、眼下に今日の目的地
北岳山荘が見えてきました。





12：00　北岳山荘到着





早速、テン場の受付をします。
場所が空いているか、ずっと心配でしたが、先着はお一人だけとのことで
まずは一安心。
水も、屋内の水道から無料で頂けるとのことで、大変ありがたいです。



支払いのとき、あつぷり師匠が使っていたお財布。
防水になっており、軽くて嵩張らず、とても使い勝手が良さそうでした。
燦然と輝く「SHIMANO」のタグが・・・思いっきり釣り用であることを物語っています（笑）
ワタクシも、今度釣具屋さんで探してみましょう・・・「RYOBI」のやつでも。




テン場は選び放題！
ただ、今回ワタクシ達は、6人6張りと、かなり、KY(;´д｀)
あまり場所を取るのも申し訳ないので・・・・




なるべくひと固まりになって設営致しました。ホントにすいませんっ！




設営が済んだら、お待ちかねのビールで乾杯っ！




遅れていた、としパパさんとゲンジさんも到着。




お二人を交えて、再び乾杯っ！
不調だったとしパパさんも、アルコール摂取とともに・・・完全復活（笑）




　　　　（ゲンジさん撮影画像　拝借）
このまったりした時間が、テン泊の醍醐味ですよね～



ビールがススム、ススム！



なっきーさんまで「見得」を切り始めました（笑）
ちなみに、この時、ワタクシは寒さのあまりダウンを着てましたけど・・・・



酔いが回って・・・・
あとはメチャクチャ（笑）
寝ている他人様のテントをポールで突っついたり・・・・




　　　　　（あつぷりさん撮影画像　拝借）
極セマなクロスオーバードームｆの中で、お互いのエンレイソウを確かめあったり・・・・・




「ぎんなん」が不評だったり・・・・




楽しい？時間はあっという間に過ぎ・・・・
ワタクシ・としパパさん・ゲンジさんは小屋の夕食を頼んだので、17：00には食堂へ。




まだ仮営業中にもかかわらず、おかわり自由のあったかカレーライス（ポテトサラダ＆味噌汁付き）を頂けて、大変幸せでした。




晩ご飯をお腹いっぱい食べたら、すっかり眠くなってしまい
早々にオネムの準備。




吸気口に台所の排水口ネットを被せて、虫の侵入を防ぎます。
これがまた、純正の虫よけネットと同じくらいピッタリフィット（笑）







まだまだ、外は明るかったのですが、

いつの間にか、深い眠りの中にダイヴしておりました。

また、明日・・・・・・。



その2へ続く




ちなみに、今日のログです。




なっきーさんのエンレイソウ・・・・・
温かかった・・・・♥

＃うわまじか・・・・（三回目）