
福井で唯一の日本百名山
「荒島岳」に行って来ました。
そもそも
日本百名山とは?
福井県ともゆかりの深い深田久弥氏(文筆家、登山家 1903~1971)が1964年に出版し、第16回読売文学賞を受賞した随筆集の題名だったのですね。
御名前の 「
久弥」 は、「
きゅうや」とお読みするんですね。「ひさや」だと思ってました(恥)
石川県の大聖寺にお生まれになった深田氏ですが、福井に母様の実家があったため、福井中学(今の県立藤島高校)に進学され、文殊山を始めとして、鷲ヶ岳、剣ヶ岳、火燈山(ひともしやま)、もちろん白山、富士写ヶ岳などなど福井県、石川県の山々を歩かれています。
Wikipediaには「1918年(大正7年)中学生のとき友人と白山登頂し、山岳開眼した」と記されていますが、そもそもの始まりは、「福井中学1年生の1学期試験を終えた後、
福井から故郷の石川県大聖寺まで歩いて帰ったこと」がその原点かもしれないと、ご自身が亡くなる1年前に書かれた巻頭言で述懐されています。
距離にして約八里(32km)を7時間ほどかけて帰ったことで、「
何か一つのことを成し遂げたという気持ちが生まれた。同時に歩くことに自信がついた。歩く楽しみを覚えた。」とも記されています。
わたし自身も、なぜ山のぼりにここまで魅かれるのか考えたことなかったのですが、深田翁のおっしゃる
「達成感」や、己の2本の足だけを使って「
歩くことに対する自信」はその大きな要因になっている気がします。
今回の荒島岳は、そんな深田翁に最大限の敬意を表するとともに、自分の心を見つめ直す山行となりそうです。
決して予定変更となった21日の
荒島気分がおさまり切らず、
おりゃー!と勢いで家を飛び出したからではありませんので、くれぐれもゴカイのなきようお願いいたします。
07:25 おりゃー!と自宅出発国道158号線で大野市街を抜け、「中休」の交差点を右折。しばらくすすむと蕨生地区に入ります。案内板に従って集落の奥へ。
08:28 中出登山口駐車場に到着。
山頂までは、勝原スキー場跡から登る「勝原コース」とこの「中出コース」、他にも「佐開コース」などいろいろなコースがありますが、今回は深田翁も登られたという中出コースにしました。

新しい大きな駐車場で、40台以上止めれそうですね。晴天の祝日で、もっと沢山車で埋まっているかと思っていたのですが、到着時は3台ほどだけ。その後準備している間に、さらに3台ほどこられたようです。


水場やキレイな水洗トイレが完備されており、快適に登山準備をすることができます。登山届も出しました。

また、駐車場の奥には足湯ならぬ
足水があります。名水として名高い大野の水で、火照った足を癒してくださいという粋なはからいです。でも超冷たそうです。
08:45 登山開始駐車場脇の林道を進みます。微妙に足に堪える傾斜ですね。しばらくいくと林道の分岐が現れます。(標高400m)

ここにも車4~5台停めれるスペースがありました。林道を少しでもパスしたい方は、ここまで来ちゃうのも手ですね。
09:08 ホントの?登山口

ここから、細い山道に変わります。
09:12 二又 通過

杉林の中に、「二又」の標識。周りを見渡しても何が二又なのか、さっぱりわかりません。
9:20 切り株で休憩
ベンチや休憩場所らしきものはなにもないので、休憩のタイミングがうまくつかめません。とりあえず水分補給を。
09:42 雨降り展望台 通過
まわりは単なる藪で、展望台らしきものは見当たらず。
09:51 おおこば展望台 通過
ここも、展望台らしきものは無し。いったいどうなっておるのか?
10:05 山頂まで3.3kmと「向坂」の標識

げっ!まだ3.3kmもあるのかっ。さすがに長いなぁ~
うーんたしかに坂には向かってますけど、これもよくわからず。
ここからさらに5分ほどすすむと、植生が変わり、見事なブナ林に変わってきます。
10:19 ひえ畑 標識通過
やはり、ここもなにも無い。
10:24 とやのおとし 急坂現る。
急坂とはいうものの、先日登った能郷白山に比べれば大したことはありません。10分弱ほどで登り切ります。
10:32 小荒島分岐(標高1175m)

「小荒島」の下に小さく「1分」と書いてある文字が目に入らず、いったん行きかけたものの、遠かったらどうしようと不安になり、なにはともあれ荒島岳山頂を目指すことにしました。(実はすぐソコだったのネ)
10:50 しゃくなげ平 到着 荒島岳山頂まであと1.5km (標高1204m)


中出コースはほとんど人がいなかったので、突然大勢のハイカーが休憩されてて、ビックリ。勝原コースってホントに人気があるんですね~。
かなりお腹が減ってしまったので、山頂で食べようと思っていたコンビニおにぎりを我慢できずにパクリ!粉末ドーピング剤をふりかけ代わりにむしゃむしゃ。もっとたくさんおにぎり買ってくればよかった・・・
今回、ハードな荒島岳ということで、軽量化の為にいつも持ち歩いているストーブやカップラーメンも置いてきてしまいました。 たしかにザックは軽いのですが、山のぼりの楽しみも置いてきてしまったような気がして、少し後悔しました。
10:59 佐開コース合流点 通過

ここから、ブナ林の中を一旦下ります。
11:06 噂の「もちがかべ」現る!

滑落死亡事故多発の警告板です。こ、こわい・・・

こ、これはなかなか・・

は、はげしいですな~
やめてけろ~っ!
い、いつまでつづくのかな?

やっと終わった・・・と思ったら・・・

まだまだ続きます。さんざん歩いてきたあとに、この長い急登は確かにキツイっす!
11:29 前荒島看板 見っけ。

少し先に標柱もありました。ここがほんとの前荒島かな?もちがかべ入り口から
30分近くかかっています!でもやっと平坦な道がでてきました。

眺望も開け、鳩ヶ湯方面の谷の向こうに、白山が見渡せます。左手は経ヶ岳かな?だとすると、その間の2つのピークが大長山と赤兎山か・・? 地図と見比べるもののイマイチ確信が持てず。

あれが山頂か。まだ結構登らないといけませんね~
5分ほどすすむと、さらに眺望が開けます。

やっぱり位置関係は間違いなさそう。素晴らしい景色です。

足元には、アキノキリンソウや、能郷白山でも最盛期だったエゾリンドウが咲いています。
11:48 山頂の祠が見えてきました!
11:49 山頂到着。(標高1523.5m)


頂上広場はご家族連れやハイカーでいっぱいです。

なんとか、祠の裏のケルンあたりに腰を降ろせたので、
ノンアルビールで乾杯!これだけは持ってきてホントによかった~!
残りのおにぎり1個もよーくかみしめながらお腹の中へ。
遠くを見渡すと、一昨日登った能郷白山も見えているじゃありませんかぁー!
山頂にはさらに大勢のハイカーが到着しています。そろそろ下山しようかと腰をあげたとき、麓の駐車場で同じ頃登り始めたハイカーさんに声をかけられました。彼は山口県から福井に転勤してこられた方で、福井の1000m以上の山を全部登ることをターゲットにされているそうです。「今日荒島岳をハントしたので、あとはもう3~4座で達成です」と、とても良い表情をされていました。お互い写真を撮り合って、お別れしました。山でのこうした出会いは、ほんとに貴重ですね。
12:25 下山開始

六呂師高原方面もよく見えます。
12:49 もちがかべ再び。

梯子に石が溜まっていて、降りにくいです。慎重慎重!
12:58 しゃくなげ平までの登り返し。

ブナの根っ子で出来た階段を登り返します。微妙にしんどいです。
13:01 しゃくなげ平戻り。

さらにブナ林をずんずん下ります。
13:14 小荒島分岐戻り。

帰りは小荒島へ。小道を分け入ります。
13:17 小荒島頂上広場
分岐からは、あっ という間でした。

小荒島から見た、荒島岳。

足元にはツリガネニンジンやシオガマギクと思しき花が咲いています。

「とやのおとし」の手前には、ギンリョウソウが生えてました。登りで気づかなかったなぁ。別名ユウレイタケ。生で見たのははじめてです。
何も無い、「ひえ畑」 「向坂」を通過して
13:42 中出登山口まで2.5kmの標識
ま、まだ2.5kmもあんのか!まだまだ先は長いっすよ。

アザミや先っぽが実になってるサラシナショウマも見かけました。

何もない二つの展望台も通過して、どんどん高度を下げていきます。

石段が続く白山と違って、基本土の登山道の荒島岳は膝にやさしい気がします。落ち葉でフカフカなところも多く、膝周りが痛くなりませんでした。
14:05 植生がブナ林から杉林に。

意味不明「二又」も通過。標高800mくらいを境に植生が変わってきました。
14:16 登山口戻り。

ここからは、幅の広い林道に変わります。だらだらとした下り坂を気抜けしたまま下ります。

途中の駐車スペースをすぎると、コンクリの道に変わります。相変わらず微妙に疲れる傾斜が続きます。
14:36 駐車場戻り。
下りは2時間11分。でも長かったなぁ。
行動時間 約6時間。 往復距離 約12km。 標高差1100m強は、やはり疲れました!

長い長い下りを終え、足が火照っていたので、足水にタプン!

足だけ、超さっぱりして林道を下り、蕨生の集落へ。
圧倒的に昼ごはんが足りなかったので、大野市元町の「福そば 本店」へ

七間通りと五番通りの交差点にあります。少し離れた商店街の駐車場に車を停め、お店に向かいます。

店内はこんな感じ。時間が遅かったので貸切状態でした。

数量限定の十割おろしそばを注文してみました。

シンプルですが、味わい深い おいしいおそばでした。

この先にある、伊藤順和堂さんの「芋きんつば」も、絶品なんだよなぁ~ でもこの時間だと売り切れちゃってるだろうなぁ
後ろ髪引かれまくりながら、大野の町を後にしました。
・・・また来ます!さあツギはどの山にのぼロウか? (深田翁。 最近大野では、しょうゆカツ丼もなるものも・・・)
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