2016.11.5～6 天国への階段 ダイヤモンド・トレイル 1日目 （ソロ）

　There's a lady who's sure all that glitters is gold
　And she's buying a stairway to heaven.


　光り輝くものは　黄金だと信じて　
　彼女は　天国への階段を　買うつもりなんだ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Led　Zeppelin　「Stairway　To　Heaven」　より




　関西では、六甲全山縦走路と並んでメジャーな、ダイヤモンド・トレイル（通称ダイトレ）に挑戦して参りました。
　北は奈良県の屯鶴峰（どんづるぼう）から、南は大阪府の槇尾山（まきおさん：標高600ｍ）まで、
和歌山県も含めた近畿三県の県境をアップダウンを繰り返しながら、全長約45ｋｍに及ぶロング・トレイルです。
1970年頃から整備が始まり、現在に至るまで様々な登山やトレランの大会が催されています。



道中には、日本200名山の金剛山（標高1,125m）、300名山の大和葛城山（標高959ｍ）も含まれています。
特に金剛山一帯は、古より修験の場として知られ急峻な登山道が続きます。
距離的には六甲全縦よりも短いものの、
標高差のあるアップダウンや階段の多さで、六甲よりもキツイと言われているようです（汗）





本来なら2泊3日くらいの日程で、歴史あるダイヤモンド・トレイルをじっくり楽しみたいところですが・・・・
仕事の都合もあり、今回は1泊2日で、このコースを歩くこととしました。
1日目は、起点の屯鶴峰より、ほぼ中間となる金剛山キャンプ場まで向かいます。
いつも山行計画の際お世話になっているヤマレコの便利機能「ヤマプラ」によると、
距離約20ｋｍ、コースタイム10時間21分と算出されました。
う～む・・・防寒具を増量したテン泊装備を担いでの初アタックとしては少々ハードな気もしますが・・・・
2週間後に迫ったアレ　のことを考えると・・・・
や、やらねばならんのでありますっ！(￣^￣)ゞ　　




1：45　いずみ山愛の里到着
前日、仕事が終わってからすぐ大阪へ向かう予定でしたが、予想外の飲み会が入り、ノンアルで我慢して22時すぎに出発。
高速を乗り継いで、4時間弱で到着しました。ここは大阪府和泉市の国道170号線沿いにある道の駅です。
130台駐車可能な広い駐車場と24時間利用できるトイレや、昼間は地元の物産販売所や軽食コーナーが開設されています。
市街地にあるため、周囲にはコンビニもあり、物資の補給には事欠きません。




ダイトレの終点となる槇尾山・施福時から約5ｋｍ。始点の最寄り駅がある近鉄線に繋がる南海バスの停留所まで600ｍほどと、
縦走の拠点として最適な場所、施設と思われます。
昨年の10月に、ビール好きお仲間のあつぷり隊長がここを拠点にダイトレの1Dayスルーハイクを完遂してらっしゃいます。

い、いつものパターンながら・・・・
・・・・こ、今回も、偉大なる隊長のプランを丸パクリさせて頂きますっ！（で、でも・・・1Dayスルーはムリムリムリ！）




4：30　起床
3時間弱は仮眠できましたので、いくぶんカラダが楽です。
外の気温は8℃　福井と変わらないくらいの寒さですね。




お天気ナビゲーターによりますと宿泊地となる金剛山の気温は、今晩から明け方にかけて0℃＆風強め予測が出てましたので、防寒具は増強してきております。




ザックの重量は、水分2L込みで10.9ｋｇ　防寒具を増強した割には軽く抑えることが出来ました。




5：55　バス停に向けて出発
空も明るくなってきました。




6：05　槇尾中学校前バス停到着




6：21始発の河内長野駅行きバスを待ちます。
平日と土休日は、少し時間が変わるので、注意が必要です。



すぐ隣に、2日目終着点、槇尾山・施福寺からの帰りに使う予定の「オレンジ・バス」の停留所もあります。
なんとか無事にここへ戻って来たいものです。




6：54　河内長野駅到着
ここからは電車を乗り継いで、始点となる屯鶴峰の最寄り駅、近鉄南大阪線の二上山駅に向かいます。




7：39　二上山（にじょうざん）駅下車



改札を出てすぐ左手に踏切がありますが、渡らずに国道165号線方面へ。
（踏切を渡っても、後ほど合流しますので、屯鶴峰には行けます。）
土曜日の朝ですが、交通量はかなり多いです。しかも歩道がほとんど無いので、車に注意しながら西に向かいます。




7：58　県道703号線への分岐




8：10　屯鶴峰駐車場到着




道路を挟んだ反対側に屯鶴峰への階段があります。
この階段の脇に、ダイヤモンド・トレイルの起点を記した石板が埋め込まれているとのことですが・・・・




おおおおっ！ありましたっ！






・・・・って・・・・・非常に分かりにくいです（笑）

今回のダイトレ縦走にあたり、もうひとりの偉大なる隊長様こと・・・・
六甲探検隊+の隊長様のレポ「Diamond　Trail　17の石標」も大変参考にさせて頂きました。
ダイトレのルート＆石板の位置が詳細に記されたこのレポは、縦走のバイブル・・・いやいや家宝として永久保存版にすべきものなのですが・・・・・全ページ印刷したものを・・・・車の中に・・・・思いっきり忘れてきてしまいましたっ（泣）
幸い、最初の石板の位置は、何度もレポを拝見していて、すっかり覚えていましたので見逃さずに済みました。
でも、そのレポを拝見していなかったら・・・・間違いなく見落としていたでしょう。
して、その屯鶴峰とは・・・・？



・・・・・ラジコンフリーク達の遊び場になっておりました（笑）




早々に屯鶴峰を後にし、さらに西へ5分ほど歩くと、小さな標識が見えてきました。





8：33　ダイトレ北入口到着
いよいよダイトレの始まりです。




いきなり階段が始まりました。
ダイトレは別名「階段トレ」とも言われているとおり、階段だらけのトレイルです。段差も傾斜もそこそこあるので、序盤であまり力を使い切ってしまわないよう、セーブしながら登っていきます。




このあたりの紅葉は、まだまだ先のようです。




紅葉どころか・・・・ツツジが咲いていました！？
秋に咲く品種もあるのかな？？？？




ところどころ開けた場所からは、大阪平野が見渡せます。
右奥に聳え立つ白いモニュメントはPL教団の大平和祈念塔だそうです。とてつもない大きさですね。




今回の縦走に使うのは、スポルティバ　プライマーGTXサラウンド。片足390ｇのULローカットシューズです。
2日間ともお天気は良さそうなので、ゴアテックス無しのモントレイルと迷ったのですが、
六甲と違ってほとんどが山道らしいので念のため。




朝靄に反射する光の中を、ひたすら登っていきます。
途中、何人か毎日登山らしき方とすれ違いました。



9：32　二上山石板通過
山頂となる雄岳方面には向かわず、ダイトレコースを竹内峠へ向かいます。




矢印の標識だけでなく



地図に現在地と数字が明記された標識もあります。
緊急時に119番通報する場合、数字を連絡すれば場所が分かるようになっているようです。




いったん車道を横切り、鶯の関と呼ばれた歴史ある竹内峠を通過します。
ここで、奈良県から大阪府に入ります。




石板もありました。今のところ見逃さずにきていますが・・・・
なにせ見逃しやすいので、ロストするのも時間の問題でしょう（笑）




今年の台風のせいでしょうか、かなり荒れているところもあります。



ただ、整然とした檜の森を歩くのはとても凛として気持ちがいいものです。



10：34　平石峠通過




標識にはツギの目的地までの距離も明示されていて、とても分かりやすいです。
また、階段も確かにキツイのですが、延々と続く訳ではなく、適度に平坦な道も現れるので
疲れを回復しながら登ることが出来ます。




気温は13℃まで上がってきましたが、森の中は日差しが少なく、風が抜けることもあってかなり肌寒いです。




11：13　岩橋山通過




11：48　持尾辻通過




この先もところどころ崩落個所有。




持尾峠から10分ほど進んだところに、立派なおトイレ。




後は、葛城山に向かって、ひたすら階段で標高を上げていきます。




最後の階段を登りきると、葛城山山頂手前の広場に出ます。
ここには自販機も沢山設置されています。




食事やオープンテラスでの展望が楽しめる白樺食堂も営業中でした。
土・日・祝日は営業していますが、平日（月～金）は休みとなるので、注意が必要です。




土曜日ということもあって、ハイカーさんというよりロープウェイで上がってきた一般の観光客さんの数が一気に増えました。





お昼も過ぎて、天気も良いにかかわらず、気温は上がって来ません。
風もあるため、じっとしているとかなり寒さを感じます。



人混みを避け、山頂には寄らずダイトレに沿って進んでいたつもりが・・・・




なぜか・・・




13：20　葛城山山頂到着してしまいました
あらららっ！？



山頂周辺を覆う一面のススキ越しに、本日の目的地、金剛山のシルエットが浮かび上がっています。
・・・・・と、と、遠いぢゃないの(;´д｀)
しかも山頂からは、何本も登山道が分岐しており・・・・観光地のド真ん中で、まさかのルート・ロスト（汗）




しばらく山頂付近を地図を見ながらウロウロしてみたものの、ダイトレらしき道は発見できません。
「ダイトレ？金剛山へ？ああ、来るとき使われてない小屋があったでしょ、その手前を・・・・して・・・ゆっくり気ぃ付けて・・・」
やむなく来た道を戻って葛城高原ロッヂの超優しい従業員さんにお聞きして、事なきを得ました（恥）




どうやら、Uターン気味に下り降りるルートを完全に見逃していたようです。
標識もちゃんとあり、こんな分かりやすい分岐を見落とすなんて・・・・
明るいうちに金剛山まで行かなくちゃという焦りと、自分が感じてる以上に疲れが溜まってきてたのかもしれません。
あっ！・・・・ルートだけでなく・・・・・石板もロストしてしまいました（泣）



ここからは、急坂の下り階段が続き、一気に水越峠まで標高を下げていきます。




水越峠に着く手前の沢に水場があり、空になっていたペットボトルに補充させて頂きます。




途中、大型のヘリが何度も通り過ぎたり、上空でホバリングしたりしていました。ナニか事故でも？と思いましたが、同じルートを繰り返して飛んでいるようなので、訓練のようなものだったのかもしれません。




14：21　水越峠通過
ここにも石板があったようなのですが、全く目に入っていません。



自撮りしてるバヤイぢゃないんだよ、チミ（笑）






車道を横切り、大きなゲートの脇からガントバコバ林道に入ります。（ガントバコバって何語？？？）




しばらく舗装された林道が続くのですが、林業関係のトラックが、道幅一杯に降りてきたリするので注意が必要です。




14：47　「金剛の水」通過
水越峠の手前の水場で補給したので、ここには寄りませんでしたが、すっきりと甘い名水として知られているそうです。




そして、いよいよ今日のラスボス・・・・
金剛山への本格的な登りが始まります。
標識によると金剛山まで・・・・あと3ｋｍ！
急がないとキャンプ場に着くまでに日が暮れてしまいます（焦）




登り始めてスグに立派な東屋。
もっと時間が遅くなってしまっていたら、ここでビバークしなけりゃならなかったかも・・・・・




ぐっはっ～！距離が縮まんね～～（泣）



頼むっ！待ってくれ～（拝）




ただ、ふと振り返ると、さっきまでいた葛城山があんな遠くに・・・・・




よしっ！もう少し！
・・・・のハズなんやけど・・・・(;´д｀)




15：51　一の鳥居到着
も、もうヘロヘロっす・・・・




でも、なんとか明るいうちにキャンプ場に辿り着けそうなので、参拝させて頂きましょう。




ぐっはぁ！・・・・・やっぱ来なきゃよかった（ウソ）




15：57　金剛山山頂・葛木神社到着
時間が遅かったためか誰もいない静かな境内で、1日目の無事を感謝致しました。




も、もちろんカミさんにも・・・愛と感謝っすよ・・・ええ（手汗）




え～、ここにも石板があったようですが・・・・・
もはや、頭の片隅にも残ってません（キッパリ）




16：11　ちはや園地到着
キャンプ場は、もう少し先です。




16：20　金剛山キャンプ場到着
管理棟で500円の持ち込みテントサイト使用料をお支払いして、水場の蛇口の栓を頂きます。
この時期は利用者も少ないようで、予約無しでも受付してもらえましたが、本来は予約が必要とのことでした。
どうもすいませんでした。




さっ、陽が落ちる前に設営してしまいましょう。




今日担いできたのは、いつものステラリッジ2テントでもなく、マウンテンハードウェアのゴーストでもありません。
いつぞやの水没事件以来、なかなか出番が回ってこなかったのですが、つ、ついに日の目を見ることとなる・・・・
Juza L&E-Shelter (Light & Easy Shelter) Dx/ ジュウザ L&Eシェルター・デラックスですっ！
いわゆるツェルトと呼ばれる超軽量の簡易シェルターで、大人が楽に寝れるサイズながら、重量は360ｇというULっぷりです。軽さという点では、ゴースト（751ｇ）もメぢゃありません。




設営は至って簡単です。床面のループを先にペグ止めして、後部を1本のポールとガイドラインで立ち上げます。




入口側に回り、トレッキングポールを支柱代わりにクロスさせて、上部から左右にガイドラインでテンションをかければ、ツェルト全体が立ち上がり完成です。





陽が落ちるにつれて、どんどん風が強くなってきてるのですが、ツェルトは足元と入り口上部に通気口があり、
スリムな形で、かつ風が抜ける構造になっているので、風上にしっかり足元を向けていれば、とても安定しています。




なんとか、暗くなる前に今夜の寝床が設営できましたので、ささやかな晩餐を。




いつの間にか夕闇が迫ってきています。
いろいろありましたが、今日はいい1日でした！




・・・・で、でも
今日は、まだ、最後のお楽しみが残ってるんですよっ！
キャンプ場利用者は千早赤坂村営宿泊施設「香楠荘」さんの、ある施設を利用できるんです。


テン場から歩いて10分ほど・・・・


最後の階段を登った先には・・・・・





・・・・天国が待っていました・・・・。






も、もちろん、コレもね（笑）



2日目に続く・・・・


　


　
ちなみに今日のログです。




ダイトレ・・・・・さすがにキツイです
・・・・まして・・・・1Dayスルーは・・・・・

絶対あり得ないっすよ！あつぷりさん！！！！