2016.8.13 ロング＆ワィンディング ロード 薬師岳～黒部五郎岳 その２ (ソロ）

薬師峠キャンプ場でテン泊した翌日は、黒部五郎岳を目指します。富山県と岐阜県にまたがる標高2839.7ｍのお山です。人の名前のような山名ですが、山の用語でいう「ゴーロ」（大きな岩がゴロゴロした場所）が語源で、それに「五郎」という字をあてて名付けられたようです。また、苗字のような「黒部」は村名からきており、近隣の野口五郎岳も同じで、黒部村のゴロ山・野口村のゴロ山という区別の為の呼び名が現在の呼び名に転じたとも言われています。




4：00　起床　
前日かなり早い時間に眠りについたので、もう1時間早く起きる予定でしたが、意外と疲れていたようで起きれませんでした。慌ててテントの撤収と出発の準備を始めます。テントの中の気温は19℃で、夜も寒さは全く感じませんでした。
若干傾斜があったので何回か寝返りを打ちましたが、風は無く静かに眠れました。




ペグの取り忘れや忘れ物がないか確認し、おトイレを済ませ、新しい水を補充させて頂き




5：00　テン場を後にします。




外の気温は13℃　かなり肌寒いので、Tシャツの上に薄手のパーカーを羽織ります。




5：18　太郎平小屋到着




小屋前広場のベンチで、朝食がわりのSOY・JOYとドーピング剤を摂取。チョコレート味・・・うまいっす。




小屋を過ぎると、雲ノ平や高天原へと続く薬師沢方面との分岐があります。



もう少し日程に余裕があれば、雲ノ平や三俣蓮華岳を巡る周回コースも楽しめるのですが・・・
偶然、この日、同じエリアにいらしてたビール好きお仲間のなっきーさんは、最低2泊、普通なら3泊かける周回コースを1泊2日で踏破され、下山後のヤマレコでは、「余力がいっぱい、物足りなかった」とのたまっておられました（笑）
最近、それまでの「レジェンド」から、最高名誉の称号である「変態」に格上げされたなっきー軍曹には・・・もはや死角なしですっ！




朝靄の中、薬師沢方面に向かうハイカーさん。
良い一日、良い山旅を！




薬師岳の東南稜あたりから朝日が差し込んできました。




自分の影が朝露の高原に伸びていきます。




いっせいに、生命たちが輝きだし、何とも言えない幸せな気持ちに包まれます。




前方には、これから向かう北ノ俣岳の丸い穏やかな稜線。




このあたりは池塘も多く、きらきらと朝日に輝く様子は幻想的です。




樹林帯を抜けると、遥か彼方に目指す黒部五郎岳が見えてきました。
・・・・・と、と、遠いなぁ～おいっ！




さらに遠くには、槍ヶ岳のシルエットも見えました。





7：13　北ノ俣岳山頂到着（標高2661.3ｍ）




しばし休憩ののち、再び広尾根を歩き出します。目指す黒部五郎岳の右手には笠ヶ岳（標高2898ｍ）。さらにその右奥には、雲の上にうっすらと乗鞍岳が顔を覗かせています。




素晴らしい稜線歩きなのですが、微妙にアップダウンがあり、行きはともかく、帰りがチト心配になって来ました。




い、いや・・・だいぶ・・・心配になって来ました。




7：48　赤木岳通過（標高2622ｍ）
昨日登った薬師岳がキレイに見渡せます。




五郎さんに近づくにつれ、山容がよりハッキリとしてきました・・・・・。
こ、これは・・・・帰りどころか・・・・

辿りつけるのかどうかさえ、めちゃめちゃ心配になって来ました(;´д｀)




朝ごはんをしっかり取らずに、行動食やドーピング剤で済ませていたためか、今日はなんだかガス欠気味です。
ペースもガタ落ちして、すでにヘロヘロになってきました。




最後の登りがキツイのなんのって（泣）




9：40　黒部五郎の肩　到着




ここからは、カールルートと稜線ルートに分かれて黒部五郎小屋を目指せるようです。




ここから頂上までは７～８分とのことで、皆さんザックをデポして登って行かれます。




カール越しに、左から、赤牛岳～水晶岳～鷲羽岳の稜線が見渡せます。




ワタクシもザックをデポして、山頂に向かいましょう。




9：52　黒部五郎岳山頂　到着（標高：2839.7ｍ）



皆さん思い思いに、山名の書かれた板を手に記念撮影をされていますね。




今日もガスガスとの競争に負けて、あたりを白い世界が覆ってきました。



来年あたりは、カールルートを下って周回してみたいですね。圏谷の底から仰ぎ見るカールは、もっともっと素晴らしそうです。




10：08　下山開始
砂礫が滑りやすいので、慎重に慎重に。



イワツメグサ（岩爪草）や



ミヤマダイモンジソウ（深山大文字草）



ウサギギク（兎菊）



ミヤマホツツジ（深山穂躑躅）
健気に砂礫の斜面に咲くお花たちにチカラをもらって、さあ帰りましょう！




ただ、お花パワーはあまり長続きしないので・・・（笑）
柿の種パワー＆カリカリ梅パワー＆ドーピングパワーで帰りを乗り切らなくてはなりません。




どうにもこうにも登り返しがキツイのなんのって・・・（行きも同じこと言ってましたが）




一旦、腰を落ち着けて昼ごはんをつくればいいんでしょうが、時間を惜しむあまりガス欠状態のまま低燃費運転です。
ガイドツアーの方達の後ろにピタリとついて、極力体力を使わないペースで登り返していきます。
なんだか、色々このあたりの説明のお話も漏れ聞こえてくるので、ちょっと得した気分です（笑）



12：29　北ノ俣岳戻り




12：36　神岡新道との分岐通過
地図では太郎平小屋まで、あとCT1時間ちょっとなのですが・・・・




果てしなく続くように感じる、ロング＆ワィンディング　ロード！
歩くペースは激遅となり・・・
行動食を食べても、ドーピング剤を飲んでも、たいしてチカラが湧きあがって来ません。




14：15　太郎平小屋戻り
行者ニンニクが入っているという「太郎ラーメン」を楽しみに、飲まず食わずで戻ってきたのですが・・・・
食事の営業は・・・・14：00まで・・・・・タイム・アウトでした（泣）
ただ、カップラーメンは販売していましたので、貪るように頂きます。




14：50　下山開始
不思議なもので、高級ドーピング剤や行動食をいくら摂取してもチカラがでてこなかったのに、
熱々のカップラーメンを食べた途端、元気が戻ってきました（笑）
足取りも軽やかにどんどん下っていきます。



16：54　登山口戻り




登山口の駐車場は路駐が無くなり、少しだけ空きがあるようでした。やはり、この時間の前日入りが一番いいようです。




登山口で予約のお客さんの下山を待っていたタクシーの運転手さんと話をすると、まだ約束の時間までには間があるので、車を置いたT字路まで送ってくれるとのこと。
こ、これはありがたい！お言葉に甘えまくりで乗せて頂きます。




17：05　車駐車地点まで戻り
歩きでは40分弱かかった林道ですが、7分ほどで戻ることが出来ました。
料金は1,500円ほどかかりましたが、ホントに有り難かったです。





帰りは、お猿さんが現れて、ワタクシをお見送り（妨害？）してくれました。




チ、チミたち・・・マナーってものを・・・・




The long and winding road

that leads to your door

will never disappear

I've seen that road before

it always leads me here

Leads me to your door


The Beatles　「The Long And Winding Road」より





さあ、ツギはどの山にのぼロウか？





　
ちなみに今日のログです。






よい子のみんなは、おにパパさんとか、N軍曹とか、APさんの真似しちゃダメだよ。
と、とっても・・・キツいからね（泣）