2016.6.11 アルプス縦走養成ギブス レベル１発動 白山釈迦岳（ご近所さんと）

えっ？　この夏、テン泊したい！？
ええっ？　北アルプスを縦走したい！？

たしかに、この冬・・・・・銀杏峰や取立山～鉢伏山・・・・
そして・・・残雪期の燕岳。

幾多の試練を乗り越えてきたご近所さん1号ですが、

・・・・・・カッ・・・

・・・・・・・・・・カッ、カッ、カッ・・・・・・・・

喝ぁ～～～～つ（怒）

100万年早いわーーーーっ！！！！！！！！！（憤怒）




とゆーわけで、やってきました・・・市ノ瀬ビジターセンター前駐車場
今回のターゲットはここから、釈迦新道を使って登る白山釈迦岳（標高2053.1ｍ）です。
テン泊縦走となると・・・20ｋｇ近い荷物を背負って長距離を歩く体力と精神力が必要となりますが・・・・
別当出会からの白山御前峰ピストン（約14ｋｍ）が今までの最長で、やや精神力に甘さの残る1号に（笑）
まずは・・・・いつもより長い距離を歩くミッションをクリアしてもらいましょう！
ワタシにとっても初めてのコースですが・・・リンクさせて頂いているとしパパさんが、先週歩かれたレポを拝見して、おおまかなイメージはつかめているので、安心です。としパパさん、ありがとうございます。



1号だけに辛い思いをさせるわけにはいきませんので、
ワタクシも、仮想テン泊装備20ｋｇ・・・・といいたいところですが、
先週の荒島岳とほぼ同じザックの中身。
き、きのうも飲み会だったし・・・は、はじめてのコースだし・・・（笑）
荒島岳と違って、水場はありそうですが、
天気予報によると今日は下界では30度を突破しそうなくらい暑くなるとのことでしたので、水分は.3.5L担いでいます。




6：21　市ノ瀬ビジターセンター前出発
別当出合を目指す車がひっきりなしに横を通り過ぎていきます。





ワタクシたちは、六萬橋を渡って、釈迦新道・白山禅定道の登山口へ向かいます。




気温は18℃　風はほとんどありません。




6：35　釈迦新道・白山禅定道　登山口到着




最初の杉林を抜けると、古道の面影が色濃いブナ林へと変わっていきます。




フタリシズカ（二人静）が登山道脇に連なって咲いています。




ブルーと紺のグラデーションが美しいカケス（橿鳥）の羽根も・・・




6：54　林道合流
林道を横切り直進すると、白山禅定道へ。林道に沿って左に進むと釈迦新道です。
一切の迷いなく、白山禅定道へ邁進する1号（笑）
名言その①　「だって・・・リボンがあったんやって！」
・・・・・う～むっ・・・・たしかに（爆）




大きな堰堤のある沢を渡ると、釈迦岳登山口までもう少しです。



なにせ初めてなので、念のためGPSでも確認。




7：30　釈迦岳登山口到着
市ノ瀬ビジターセンター前から1時間10分ほどかかっています。結構、林道・・・・長いっす。







7：35　登山開始
淡いピンク色が美しいタニウツギ（谷空木）の咲く道を登っていきます。




山に入ると、気温は15℃まで下がりますが、寒さは感じません。




8：24　水飲場到着
「白山のどの水場よりも冷たく、まろやかで一番美味しいっ！」とゆーみなさんの評判を確かめるべく、喜び勇んで水場に向かいます・・・・




・・・・・涸れてるし・・・・（泣）

山と高原地図をよくよく見てみると・・・
確かに「涸れることもある」と書いてありました（笑）




市ノ瀬から5.9ｋｍ　釈迦岳まで2.1ｋｍの表示を見て・・・
名言その②　「もう6ｋｍも歩いて来たんか！？・・・・意外とチョロいんやって！」
い、いや・・・・はたして・・・・そうかな・・・・（汗）




水場が涸れていたショックを、足元のゴゼンタチバナ（御前橘）に癒してもらいながら進んでいきます。



　
マイヅルソウ（舞鶴草）やアカモノ（赤物）も競い合って咲いています。




8：53　釈迦岳まであと1.7ｋｍの標識通過
名言その③　「い、いや、この標識、おかしい・・・・もっと登ってるって！」
う～むっ・・・なんだか1号の言ってることが正しいような気がしてきました（笑）




このあたりから、谷を挟んだ、白山禅定道の稜線越しに別山の雄姿がクッキリ見えるようになってきました。
残雪期のゼブラ模様はすっかり無くなってしまいましたが、相変わらずの男前っぷりです。




それほど急登ではないのですが、微妙に堪える傾斜の連続に、ヘロヘロになり始めたワタクシ達。
ダケカンバ帯に入ったあたりで後続のハイカーさんにブチ抜かれます！



再度、足元のミツバオウレン（三葉黄連）に力をもらって・・・・



白山釈迦岳を目指します。






気温の上昇に伴って・・・・本日最大の刺客が・・・・・
メマトイ・・・・大量発生！！！！！
ヤツラは人の目や涙液に含まれるタンパク質が大好物で、それを吸うために群がってきます。
目だけでなく、耳の穴や口の中にもバンバン入って来ますのでウザいことこの上なし。
少々のタンパク質ぐらい吸われても惜しくはないのですが、中には寄生虫を媒介するヤツもいるとのことですので油断なりませんっ！




頂上に近づくにつれ、白山主峰部もより間近に・・・




10：00　白山釈迦岳前峰到着（標高約2,020m）
前峰頂上は360℃の眺望です。白山主峰部も、いつも見ている角度と違うので、新鮮です。
さらに七倉山や四塚山から向こう、白山北部の雄大さも垣間見えます。




で、でも・・・・
素晴らしい景色もソコソコに座り込む1号とワタクシ（笑）
名言その④　「もう、ここでイイんやって。」




ワタシもつい・・・・「うんうんうんっ」と頷きかけた、その時・・・白山方面からハイカーさんが戻ってこられました。




お伺いすると、5時半頃から登り始めて、もう七倉山まで行って帰ってきたとのこと（驚）
ここまでで、すでにヘロヘロのワタクシ達に対し・・・息一つ乱れず・・・淡々としてらっしゃいます。
「いつもなら、七倉から大汝、御前、回って降りるか、別山も回って降りるかなんやけどね」
「今日はお昼までに帰んなきゃいけないから。」
サラサラッと喋ってらっしゃいますが・・・・そ、それって・・・・・白山三山登拝ってやつですよね・・・・・！
名言（番外編）　「そう、10時間くらいかな・・・」
ワタクシの耳の奥にメマトイではなく・・・聞こえるはずのない砂の音が・・・いつまでもサラサラッ、サラサラッと流れていきました。
明らかにタダモノではない、サラサラ・ハイカーさん・・・きっと名のあるお方なのでしょう。




で？おたくらは、どこまで？？
おもむろに聞かれ、「白山釈迦岳です！」と答えると・・・・
あきれたような顔をして・・・・
「はぁ～？、すぐソコやけど・・・「藪が酷くて簡単に行けんよ」
「頂上も三角点があるだけやし」
「そ、そ、そうなんですか！？」
・・・・・・・知らなかったっ！・・・・・・・
道理で、としパパさんのレポを見ても白山釈迦岳山頂がレポされていなかったわけだっ（恥）




「それよか、この先、もっと進んで・・・・」
「オオサクラソウを見てこなくっちゃ！」
「白山でも、ここでしか見れないんだよ」




いろいろ教えて頂いた、サラッサラ・ハイカーさん勧めもあって、ターゲットをオオサクラソウに変更して先へ進みます。
すると・・・・今度は、前峰手前のダケカンバ帯でブチ抜かれたハイカーさんが前方から戻ってらっしゃいました。
すれ違いざま、まじまじとワタクシをご覧になって・・・
名言（番外編）　「あの～、このまえ荒島岳をヘンなふうに歩いてませんでした！？」
「そ、そうなんすよ。荒島を・・・なんだか・・・十字に切ってねぇ・・・・！？」
「あああっ、やっぱり！ブログ見てますっ」「すると・・・あの方がご近所さん？」
「ええ、ご近所さんです。」
ありがたいことに、ワタクシの拙ブログを読んで頂いている方でした。1号のことまでご存じとは・・・
こういう出会いがありますと、ブログをやってて良かったな～と思いますね。




しばらく進んで振り返ると、サラッサラ・ハイカーさんと前峰でガッツリ話し込んでおられるようでした。




前峰から5～6分歩くと雪渓が現れます。




雪に埋もれた標識には、マジックの手書きで、白山→釈迦岳　（三角点）の文字が・・・・




お花には全く興味が無い1号ですが、三角点には執着があるようで・・・・
自分から→の方向へ驀進していきます（笑）




お、おりゃりゃりゃりゃぁ～





名言その⑤　「やっぱ・・・・あか～～～ん！」
笹薮の密度が濃すぎて、とても前に進めません！
もともと釈迦新道、営林署の監視路として整備されたようで、なるべく急激な昇り降りが無いように作られているそうです。
そのため、頂上までの道は整備されていないとのことです。




白山釈迦岳山頂はあきらめて、おとなしく先に進みます。




足元には、ミヤマカタバミ（深山方喰）や



ツマトリソウ（褄取草）が可憐に咲いています。




名言その⑥　NOTHING　BEATS　A　TRAIL！　（トレイルに勝るもの無し！）




キヌガサソウ（衣笠草）や




サンカヨウ（山荷葉）もまだ待っててくれました。




その先には・・・・
ミヤマキンポウゲ・ロード





いや、ホントに・・・素晴らしいトレイルです。
白山って、こんなに奥が深かったんだ・・・・・
いつまでも歩いていたい・・・いつまでも・・・・・




名言その⑥　「これぢゃね？・・・そのなんちゃらサクラ？？」
い、いや・・・・それは・・・・ムカゴトラノオ（零余子虎の尾）やし・・・・




名言その⑦　「んじゃ・・・これでしょ・・・・その・・・・なんちゃらかちゃら？？」
い、い、いや・・・・それは・・・・リュウキンカ（立金花）やし・・・・




もともと、お花に全く興味の無い1号。
いつ現れるとも知れないオオサクラソウを求めてロングトレイルを歩き続けるモチベーションがすっかり切れてきたようです。
もはや・・・目につくお花を・・・・すべて「なんちゃらかちゃら」だと言い出しました（笑）



そんななか、1号の願いが天に通じたのか・・・・・





じゃあ・・・・コレは・・・・！？
い、いや・・・・・そ、そ、そ、それは・・・・・！？

あったぁ～！！！！！！

オオサクラソウ（大桜草）ぢゃないの～♪




なんつー可愛らしさ！
なんつー鮮やかな色！

想像をはるかに超えた可憐なお花でした・・・・





もっと先には、もっとたくさん・・・・？
他の花園を探して、さらに奥へ。




ただ、先を行く１号の様子がチトおかしい？
何度も振り返って、今まで下ってきた登山道を確認しています。
帰りには、ここを登り返さなくてはいけないことに不安と焦りを募らせているようです。




・・・・・ピタッ・・・・・・

・・・・・タイム・アップ！？

いえいえ・・・・ギブ・アップです（泣）

これ以上進むと、登り返す余力が・・・・長い長い市ノ瀬までの道のりが・・・・・
実はワタクシも、結構ヘロヘロ（笑）
これぢゃぁ白山三山登拝なんて、夢のまた夢！
よっぽど鍛え直さないと、室堂までさえ辿り着けません。




名残惜しいですが、来た道を戻りましょう。
周りのお花に再度パワーをもらって・・・・。




ワタクシ達の後から登ってこられたご夫婦が熱心にお花の撮影をされています。
やはり、なんちゃらかちゃら（笑）狙いなんでしょうね～




予想通り登り返しは、なかなかのキツさですが・・・・





ホシガラス（星鴉）のガ－ガーガーという、しわがれ声に励まされながら（笑）なんとか登り返していきます。




荒々しく見えるこちらからの御前峰も・・・・見納め。




帰りも絶景が続きます。




11：36　白山釈迦岳前峰　戻り




あとは、下るだけ！
保冷袋でキンキンに冷やしてきたノンアルで乾杯です。おにぎりも食べましょう。




依然として特攻してくる羽虫たちに耐え切れず・・・・遅ればせながら、防虫スプレーを顔とカラダ全体に大量散布。
これが、効果テキメン！それまでのアタックがウソのように治まりました。
もちろんそれでも突っ込んでくるヤツもいますが、それまでとは雲泥の差です。
も、もっと早くから散布しとけばよかった・・・（泣）




12：00　下山開始
市ノ瀬は・・・・ぐはぁ・・・・・・あんなに遠いのか！





13：44　林道戻り




14：53　市ノ瀬ビジターセンター駐車場戻り


・・・・もう、足パンパンなんやって（泣）

と言いながらも、今まで経験したことの無いロングを歩き切って、

清々しさえ感じる笑顔のご近所さん１号。

アルプス縦走養成ギブス　レベル１は、

難なくクリアしたようです。



あとは・・・・

・・・・２号・・・・・・チミだよ。

今度会ったら、説教の一つでも・・・・




さあ、ツギのレベル２、どの山にのぼロウ・・・あれっ？




ひんほーんっ♪
その日の夜、続けざまに入ってきた１号と２号からのLINE


１号からは・・・・


そ、そう・・・・テン泊装備一式買ったのね・・・・・・・


２号からは・・・・



さ、さんのみね・・・・登ったのね・・・・・
ルネッスでの肉体改造成功・・・・おめでとう・・・・・



アルプス養成ギブス・・・・・

どうやら・・・・・


釈迦に説法だったようです（笑）







ちなみに今日のログです。



・・・・ぼやぼやしてたら・・・・追い抜かれそう（焦）