2016.3.12 名もなき詩 梅丈岳・三方五湖周回（ソロ）

プロローグ
　


県内某所・・・・某居酒屋の片隅・・・・

「約束ですよ！ツギロウさん。」

ゆびきりげんまんをして、何回もうなずき合う二人。

傍目には異様に映るであろうこの光景も、当人達はお酒も入って、すこぶるゴキゲンだっ！

「ま、まかしといてくださいっ！」

「若狭ツーデーマーチ・・・」

「よ、よん・・・40ｋｍコース・・・・」

「参加しまーすっ！」





というわけで・・・某お方と固い約束を交わしてしまったものの、今までウォーキング大会など見たことも出たこともありません。
だ、だいじょうぶか・・・俺。
まっ、とりあえず資料を取り寄せてみましょう。





どれどれ・・・
「この大会は、あわてずゆっくり歩き桃源郷はここを再発見する・・・・」
おおおっ！いいぢゃないっすか。このユル～イ感じ。
よしよしよしよ・・・・・・んっ！？
「フィニッシュ時間は各コースとも正午から午後5時までです。」
「午後5時までにフィニッシュできない場合は係員の指示に従ってください。」
こ、こ、これは悪夢のリタイヤ通告ではありませんか！
どんなに時間がかかったとしてもスタートの7：15から17：00までの９時間45分の間にゴールしなければならないとゆーことです。
単純計算で、時速4ｋｍ以上のスピードが必要とされます。



しかも、今回の大会は第25回記念大会ということで、初日の40ｋｍコースは普段、歩行者が通行できない
有料道路のレインボーラインを使って梅丈岳（ばいじょうがだけ：標高400ｍ）に登るとゆー、標高差のあるコース設定になっているぢゃありませんか！？
昨年ヘロヘロながらも完歩した六甲全山縦走が47ｋｍほど。そのときの所要タイムは・・なんと17時間22分とゆう途方もないタイム！単純計算で約2.7ｋｍ/hです。
もちろん12のお山を超えていく六甲全縦とは累積標高もコースもだいぶ違いますが、果たして4ｋｍ/h以上などというスピードで歩けるのでしょうか？




不安なまま、2ヶ月以上も待ち続けるのは、精神衛生上よくないので、来てしまいました（笑）「若狭さとうみパーク」
ツーデーマーチのスタート＆ゴール地点です。実際にコースを歩いてみて確かめてみるのが一番ですからね。




8：09　三方町役場前の道路を出発　
大会時のスタート時刻7：15に合わせて出発する予定でしたが、寝坊してしまい・・・・
1時間遅れのスタートとなってしまいました。（焦）




気温は5℃　しばらく暖かい日が続いていたのですが、寒さが戻ったようです。





厚手のパーカーの下に、発熱長T短Tの重ね着です。





まずは三方の町並みを抜け、若狭梅街道から三方五湖PA下りの裏を通って、湖岸沿いへ向かいます。





道路にはサイクリングコースのペイントがしてあるので、分かりやすいです。




梅畑に囲まれた、素敵なサイクリング＆ハイキングコースです。




盛りはやや過ぎたものの、まだまだ可憐な白い花の競演が楽しめます。




さらに分岐を右に進むと、三方湖から菅湖へと変わっていきます。




静かで美しい湖岸が続きます。





8：55　20kmコース・40kmコース分岐地点
湖岸ギリギリに沿って周回する20kmコースと、ここからいったん内陸に戻り気山駅前を通って久々子湖・日向湖へと向かう40ｋｍコースとの分かれ道です。本来なら40kmコースを忠実に辿りたいとこですが、久々子湖・日向湖から続くレインボーラインは、通常、人が通れない有料道路であることと、出発が遅くなってしまったこともあり、今回は湖岸の周回路から梅丈岳を目指すこととしました。





野鳥観察舎の横を通って、嵯峨隧道、そして梅丈岳登山口のあるホテル水月花方面を目指します。





9：11　虹岳島荘（こがしまそう）通過
湖畔に佇む静かな温泉らしく、一度は泊まってみたい所です。




9:19　浦見川歩道橋通過
浦見川（うらみがわ）は北の久々子湖（くぐしこ）と南の水月湖（すいげつこ）を結ぶ人工の排水路で、今から300年以上も前に、莫大な費用・数万人の人夫を動員し、強固な岩盤を南北から掘り進めるという難工事の末、2年超の年月をかけて完成したそうです。現在はジェットクルーズ船が行き来する観光名所となっています。紅葉の時期が特に美しいでしょうね。




9：42　湖岸のベンチで休憩　


　
あまりお腹は減ってませんが、この後に控える梅丈岳に備え、アミノカプシとおにぎりを摂取。




この先の岬の尾根を登る梅丈岳への登山道（林道）がGPSの画面に表示されています。




岬を回り込むと、登山口のある海山地区が見えてきました。湖畔には町営の観光ホテル水月花が建っています。



　
10：25　梅丈ランド通過　
観光ホテル水月花の裏手にある大きなゲートボール場を中心とした運動場のようですね。試合でも行われているのか何台も車が止まっています。




施設の後方には、これから登る梅丈岳が迫ります。




GPSによると、梅林の中をショートカットして登山道（林道）に合流するルートがあるようなので、点線の方に進みます。



斜面をつづら折りに道が続いています。




10：35　登山道（林道）合流
手前に柵とゲートが設置されていましたが、右側ががら空きなので（笑）そちらから合流しました。




林道はコンクリートで舗装されていますが、普段は人の行き来がほとんど無いようで、なかなかの荒れ具合です。
ただ、5月の大会時にはこの林道が梅丈岳からの正式な下山ルートになるようなので、その頃までには多少キレイになっているかも知れません。



いったん岬の尾根に沿って南下したのち、折り返して頂上に向かうようです。




斜面にはキブシ（木五倍子）の花が咲いています。
まだ他の花が咲くには早い時期なので、冬枯れの森ですごく目立ちますね。ブドウの実のように見えますが、れっきとしたお花なんだそうです。




地滑り跡を補修した新しい石積みもありました。このルートを通るにあたって、リンクさせて頂いているよっし～師匠が2年ほど前に登られたときのレポが大変参考になりました。ちなみによっし～さんは当時、土砂や倒木が林道をすっっぽり覆ったこの崩落現場を果敢に乗り越えておられました。さすがどえむマスターの称号を手にしたお方です。





このあたりから視界が開け、眼下に周回してきた水月湖や対岸の山並みが綺麗に見渡せます。





おおおおっ！？
お猿さんっ！
登山道の先で、お猿さんたちが毛づくろいをしておりました（笑）



ワタクシに気づいても、それほど慌てる仕草もなく、「チェッ！まったりしてたのになぁ」ってな感じで森の中に消えていきました。
お寛ぎのとこ誠に申し訳ありませんでしたが・・・・申年にお猿さんに間近で出会えるなんて、こいつぁ春から縁起が良い・・・・ハズです。（笑）




さらに進むと、こんな看板が・・・・
どうやら山頂一帯は公園として整備されているので入園料がかかるようですね。駐車場からリフトを利用する場合も同じ料金がかかるようです。まっ、ほとんどのお客さんはリフトを使われるでしょうけど（笑）
自動車専用道路レインボーラインの通行料が普通車・軽とも1,040円。二輪車730円。加えて山頂まで行くと入園料800円がさらにかかることになります。けっこうお高い気もしますが・・・4月お山開きや紅葉の頃には期間限定で通行料金半額のときもあるようですので、そこ狙い目かも知れません。




山頂に近づくにつれ眺望も良くなり、レインボーラインがよく見渡せます。
大会時はあのロング・アンド・ワインディングロード♪を歩くことになるわけですな・・・・・う～む・・・・
手練れのハイスピード・ウォーカーが集まるという40kmコース。
もしレインボーラインの麓までピッタリ後ろについていくことができれば・・・・・(￣▽￣)ニヤリッ
絶好のパッシングポイントになるのでは！？
ほぼほぼ海抜0ｍ地点から標高差400ｍを登り切るのは、いくら手練れのウォーカーといえども大変なハズです！
むふふふふっ、このレインボーラインこそ我々ハイカーの腕・・・いやいや、足の見せどころなのですっ！




ただ・・・・万が一・・・・
平地でのウォーカーさん達のペースが速すぎて、レインボーラインまでで体力の半分以上使い切っていたバヤイ・・・
絶体絶命のダダ抜かれポイントになる可能性も・・・大いにあります（怖）




11：35　山頂公園広場到着




ハイカーらしき人は一人もおらず、異邦人オーラ出まくりなので、リフト乗り場で800円払ってそそくさと山頂を後にしましょ・・・・




こ、これは・・・・商品券ぢゃねーか！？
出がけに財布の厚みだけ確認してポケットに放り込んで来たのが失敗でした！
リフト乗り場のおじさんに悟られないよう、小銭入れを漁ります。
ほほほほぉーっ！奇跡的にあった800円分のヂャラ銭を、むんずとわし掴みし、何事もなかったようにおじさんに！
なんとか頂上園地を脱出することができました（汗）




追い打ちをかけるように、下山していると突然上空に厚い雲が現れ、雨が降り出しました。




気温も急に下がって3℃に！　最悪のコンディションです。
・・・・今日のラッキーアニマルは・・・おさるではなかったようだ・・・・・





12：44　麓の海山地区戻り
県道216号線に合流しました。このころにはすっかり天候も回復し、再び青空も見えてきました。




万が一この先歩けなくなったら、バスでエスケープすることもあり得るので、時刻表をチェック。
1時間半から2時間に一本バスが来るようです。ひとまず、あんし・・・・
だぁーっ！金がもう30円くらいしかなかったんや・・・




カモくん・・・・チミのように翼があったら・・・・・
すぐにコンビニのキャッシュコーナーへ飛んでいくのにな・・・・



幸い、ザックの中にはカップ麺とおにぎりと山専ボトルが入っていますのでささやかなランチを。




う～む、まだ結構残ってんなぁ～
と、とくにこの後いったん海岸線の世久見まで出て折り返さなくちゃいけないのが・・・余計だっ




沿道には地元特産の梅を販売する小屋が立ち並んでいます。
おおおっ！
これが大相撲の優勝力士に献上されるとゆー福井梅かっ！
疲れた体には、梅が一番効くというし、どれどれ、ひとつ美味しそうなうめぼし・・・・
だぁぁぁぁー！今の俺には梅干し一つ買う金もねぇーのだぁ～





14：00　世久見地区へ向かう国道162号線と合流

「今日は下見だし、世久見の海まで行かなくても、別にいいんぢゃね？」

すっかりダークサイドに転落しかけていた、荒んだ気持ちを持ち直してくれたのは・・・・




道端の・・・・
名もなき、お花たちでした・・・・。

いやいや、ちゃんと名前はあるんですけどね（笑）
ちなみに、このお花は、、ヒメオドリコソウ（姫踊り子草）



こちらは、オオイヌノフグリ（あえて漢字にはしません）別名：星の瞳（これはいいんですけどね～）




最後に、キュウリグサ（胡瓜草）
どれも、ありふれた春のお花ですが・・・精一杯咲いてるのを見ると元気が湧いてきます。




微妙にしんどい世久見トンネルまでの上り坂を歩いていきます。
う～む。この微妙な上り坂も、疲れが溜まってきた足には堪えるなぁ～
ってことは・・・
ここが、第二のパッシングポイントなのでは！？
まっ、ワタシの足に、まだ力が残っていればの話ですけどね・・・



気温は12℃まで上がってきました。
大会は5月の後半。
晴れれば、夏のように暑くなるかも・・・・・
風雨なら凍えるように寒くなるかも・・・・
いずれにせよ、寒暖の対策は十分にしとかないといけませんね。




海へ抜ける世久見トンネルは長さ715ｍ。往復1.4ｋｍもあるのか・・・・




14：22　世久見海岸到着
大会当日は更に海岸線を1ｋｍ近く歩いて食見地区の海浜自然センターまで行かなくてはならないのですが・・・




今日は砂浜までで勘弁しといてあげますっ！
実はもう、かなり足にキテますっ（泣）




再びトンネルを戻ります。
あのー、SOSですっ！
普段痛くならない足の甲とかが痛み出してきました。なんだか六甲縦走の最後、地獄の3ｋｍに似てきました。




14：56　梅の里会館前通過
ちょうど梅まつりが開催されていましたが・・・・・通過ですっ、通過！



密かに狙っていた「淡水」の鰻も・・・・・通過ですっ、通過！




15：37　道の駅　三方五湖到着




この近辺にはキレイなおトイレがいくつもありますので、OPPになってもここまでくれば安心ですよ。




15：50　若狭梅街道との交差点戻り




16：06　若狭さとうみパーク戻り






・・・・夕陽に染まる

・・・・・・名もなき、ジョギングシューズ。

・・・・ありがとうございました。




いやいや、ほんとは名前あるんですけどね（笑）




さあ、ツギはどの里山里海湖（さとやまさとうみ）をウォークしようか？





ちなみに今日のログです。



当日のコースとはだいぶ違ってしまいましたが・・・




直線距離　37.8ｋｍ
約38ｋｍとして・・・・所要時間　約8時間

　　　4.75ｋｍ/ｈ


・・・・ギリギリっす・・・・・・APさん。