2016.3.6 祝福と回想の季節に 霊仙山（ソロ）

春を告げる花、福寿草を捜して霊仙山（りょうぜんざん）に行ってきました。滋賀県の多賀町と米原市にまたがる鈴鹿山脈の最北に位置する標高1,094ｍのお山です。北に対峙する伊吹山と同じく、花の百名山に選定されています。





いくつもの登山道がありますが、山頂まで最短でいける榑ヶ畑（くれがはた）コースを使って登る予定です。




　
7：30　北陸自動車道　米原ＩＣ下車





登山口は醒ヶ井養鱒場（さめがいようそんじょう）から、さらに奥へ林道を進んだところにあります。





明治18年（1878）に設立された日本で最も歴史あるマス類の養殖場とのことです。この週末は、なにやらイベントのようですね。





なかなかに荒れた林道を進んでいきます。道幅も1.5台分ほどで狭く、路面には大小の落石が散乱しているので慎重な運転が必要です。




8：03　登山口到着
手前に6～7台は停めれそうな駐車スペースがあります。この日は先着の車が2台停まっていました。
「熊出没　注意」の看板もあります。
やはり、コチラにもいらっしゃるのね・・・・




8：20　登山開始
ここしばらく雪山ばかりでしたので、出番の無かった100均火薬銃ですが、久々に携行致します。




景気づけに1発ぶちかましたのち、取り出しやすいＯＧＡＷＡＮＤ（オガワンド）の「Ｗｒａｐ　Ｓａｃｋ」に収納。
いつでもスクランブル発砲可能っす！




駐車場から少し登ったとこにある、休憩小屋で登山届を提出。壁面に掲示してある地図でルートを確認します。
登りで使う予定の榑ヶ畑ルートの表記はありますが、頂上から西南尾根を使って周回する今畑コースの記載はありません。





また、今畑から汗拭き峠に戻る落合ルートも<「通行不能」とされていますが、倒木等で荒れているものの、ロストや渡渉に注意すればなんとかなるようです。まっ、もちろん自己責任ですけど。





そうこうしてるうちに山側から、ただならぬ気配が漂ってきたので、火薬銃に手を伸ばしたところ・・・・
お若い大人数のグループが下山してくるところでした。
皆さん大きな荷物を背負って、この時間に降りてこられたことを考えると山頂避難小屋ででも一泊されたのでしょう。
おもちゃの拳銃を振り回してる姿を見られなくて・・・よかったっす！・・・大人の威厳を保つことが出来ました（笑）




幅の広い林道を3～4分進むと小さな沢に沿った細い山道に変わってきます。





下調べによると泥濘が酷いらしく、2日前くらいは多少雪があったようですが、その後は気温も高く、雨も降ったようなので・・・
久々のミツウマ・ガンショウ・指先あったかＳＰの出動です！
久しぶりにスパ長を履きますと、ザンバランの冬靴と違い、足回りのユルユル感はハンパないですが、
その軽さと泥ストレス・ゼロの気楽さは、やはりありがたく、強烈無比なグリップ力と相まって多少の残雪があっても問題なく歩けるでしょう。





しばらく山道を進むと、榑ヶ畑の廃村跡に入って行きます。
昭和30年代の初めには無人となり、その跡地に植林されていることもあって
苔生した石積みが往時の面影を残すのみです。





奥部に三角屋根の山小屋「かなや」が見えてきました。




人の気配はなく、冬期は閉じられているようですね。




建物の横には、有名な（？）手動飲料販売所があります。



沢の水を引き込んだカゴに無造作に飲み物が冷やされているだけ（笑）ですが、とても風情があってありがたいです。
帰りにでも利用したいところです。





「かなや」に掲げられていたマップには、西南尾根のルートや、
丹生川の砂防工事のため通行不可になっている谷山谷登山道が記されています。
また、西南尾根のルートは登山道が解りにくいとのことですので、気をつけなくてはなりませんね。





8：40　汗拭き峠到着
周回して戻ってくる落合からのルートを覗きこんでみますが・・・・なかなかの急登で大変そうです。




気温は11℃　山に入って少しひんやりしたものの、かなり高めですね。
発熱長Ｔに短Ｔの重ね着といった秋のような恰好でも全然寒くありません。





登りで使う榑ヶ畑ルートはメジャールートのため踏み固められて道幅もあり、傾斜もそれほどではないのでとても歩きやすい・・・ハズなのですが・・・今日のワタシは・・・昨日仕事後の飲み会で飲みすぎたこともあって・・・・まったくペースが上がりません（泣）





9：21　六合目通過





この辺りから、風が相当強く吹きつけるようになってきたので、体感温度がダダ下がりです。
慌てて、フリースとレインウェアを着込みます。





これから向かう山頂方面は濃いガスに覆われており、吹きつける強風と相まって厳しい山行となりそうです。






9：42　8合目　お虎が池到着





お池のほとりの鳥居には、なにやら大型動物の骨らしきものが供えられていたり・・・・





苔生した石灰岩が散在していたり・・・・





荒涼とした低木が林立していたり・・・・
祖先の霊が集まってくるとも謂われる、霊感スポットらしさがハンパありません！
ふ、振り向くのが・・・怖いっす・・・・




窪地のような日当たりの悪いところでは、まだまだ雪も残っています。





10：00　経塚山通過（9合目）
ガスはより一層深くなり、風も勢いを増すばかりです。




気温は6℃　体感的には、0℃近い気がします。




ガスの向こうに、標柱が見えてきました。




10：14　霊仙山　山頂到着（三角点・標高1,084ｍ）





10：28　霊仙山最高点（標高1,094ｍ）
山頂も最高点も、全く眺望は無し。風も暴風に近くなってきてとても長居できる状況ではありません。
標識に従い、そそくさと今畑への周回路へ進みます。





西南尾根は南からの暴風がもろに吹きつけるため、気を抜くと体ごと持ってかれそうな状態です。
まだ谷側から山側に煽られるのでマシですが・・・これが北風で逆だったら・・・とても歩けたものではありません。即撤退せざるを得ないでしょう。





見通しもほとんど効かず、足元の踏み跡さえよく分からなくなってきました。





正直もう引き返したくなっていましたが・・・前方から来た山ガールの二人組と、カップルのハイカーさん達と出会い、先へ進む気持ちが湧いてきました。でも山ガールさん達に、西南尾根に咲くお花のことを尋ねると・・・影も形も無かったとのこと・・・・
もっともこの暴風では、もし岩の影に咲いていたとしても、とても見つけられなかったでしょうけど・・・





気を取り直し、ＧＰＳをマメにチェックしながら先へ進みます。






11：07　近江展望台到着
晴れていれば長浜から湖北一帯まで見渡せる眺望が楽しめるそうですが・・・
暴風に煽られながら、見通しと足元の悪い岩尾根歩きでヘロヘロです。





この先はピンクリボンが付いているような樹木もあまり無いため、岩のマーキングを頼りに進みます。





幸い、この辺りからガスがとれてきて、周りの様子を見渡せるようになってきてくれました。
ただ、今度はどこにでも歩いて行けそうなので、かえって惑わされます。





恥ずかしながら、ワタクシもあさっての方向に進んで、迷いかけました（汗）





見落としていた岩のペイントを発見して、ひと安心。
ただ激下りの斜面が続くので気は抜けません。迷いやすく、なかなかハードなルートです。




　
なんとか鞍部まで下りきって・・・たまらず休憩です。





ここまで降りてくると、気温もグッと上がり、風もかなり弱まったのでレインウェアもフリースも脱ぎます。
薄いウィンドブレーカー羽織って再び歩き始めますが、それでもすぐ暑くなったので長Ｔ短Ｔのみに。
寒暖の差に合わせて、マメに着替えるのは手間ですが、重要なことですね。





周りの木々が自然林から人工林に変わってくると・・・・





麓の今畑集落跡はすぐそこです。





廃村となったのが、昭和54年(1979年）頃とのことですので、榑ヶ畑集落に比べるとまだ新しく、蔵やお寺がそのまま残っています。





廃村とは言うものの、有志の方々によって現在もいろいろお手入れされているようですね。







静かで、懐かしい村を後にします。







12：30　県道17号線　今畑登山口に降りる





県道を北上します。





5分ほどで、落合集落へ。奥の林道から汗拭峠を目指します。




ここにも通行不能の案内板が・・・・う～む・・・・・ダイジョウブか・・・・？





出だしはまったく変哲のない林道ですが





徐々に荒れだして・・・・





沢も数ヶ所、渡渉しなくてはなりません。





増水時は危険が伴いそうです。




最後は、ウハウハ状態に・・・
通行不能とするのもやむを得ないところでしょう。まとまった降雨でもあった後などは、かなり危険な気がします。





汗拭峠を目の前にしての急斜面がまたエグイっす。





13：08　汗拭峠戻り





13：12　山小屋かなや戻り





手動飲料販売所で・・・・プシューっとイキたいところですが・・・・
財布を車の中に置いて来てしまいましたので、ビールどころかジュースもお預けです（泣）





13：21　登山口戻り




登山道の泥濘も、思ったほどではありませんでしたが、「ミツウマ・ガンショウ」今日も頑張ってくれました。









結局、山上の西南尾根ルートでは福寿草の姿は見ることができませんでしたが・・・・
麓では、その息を呑む美しさに出逢うことができました。




花言葉は、「回想」





「祝福」





そして・・・・「永久のしあわせ」





自然の営みは繰り返されていく



美しく、儚く・・・・



そして、したたかに。







さあ、ツギはどの山にのぼロウか？





ちなみに今日のログです。




二日酔い気味で歩くには
ハードなコースでした。（反省・・・）