2016.2.7 大いなる助走 取立山～護摩堂峠周回 （ソロ）

先週に引き続き、素晴らしい晴天となった日曜日。
取立山から護摩堂峠を周回してきました。
今年は雪が少なくて、藪がひどく例年のように縦走できなかったのですが、
このところの積雪でようやく尾根伝いに周回出来るようになったとの噂を聞きつけ、早速やって参りました。





一般の天気予報では曇りでしたが、いつもお世話になっている「天気とくらす」では今日明日、ズラリＡマークが並んでいます。
うれしいけど・・・ほ、ほんまかいな！？




前日まで奥越エリアでは降雪があったことや、こつぶり山から先はいままで行ったことが無いこともあって、
アイゼン・スノーシュー・ピッケル・スコップに多めの防寒着・非常食・ＥＭシェルター等々詰め込むとそこそこの重さになります。
これに水分2Ｌ追加しますと14ｋｇほどです。




6：22　「おいの水谷」到着
自宅を5：00出発。取立山冬駐車スペースを通り過ぎ、護摩堂山の登下山口となる「おいの水谷」の除雪スペースに到着。
予報どおりこの時間はまだ粉雪が舞って、晴れ間は見えません。
う、う～む。結構新雪が積もってますね～。麓でコレだと上は・・・





除雪車が入ってこれない、奥の斜面にあるものをデポ。
むふふふっ。目論見通りにいくかな？




折り返して、取立山冬駐車スペースに戻ります。
気温は－4℃　路面は凍結してツルッツルですので、超ゆっくり走ります。




6：38　取立山冬駐車スペース戻り
先着の車は3台。この時間なら駐車には余裕があります。




本日投入の新兵器その①　「モンベル・ゼロポイント　ランドナーパック40Ｌ」
先日の冬山安全教室に参加した際、としパパさんから教えてもらったザックです。
ウィンターシーズンに特化したザックで、スキーやスノーシューなどバックカントリーに必要なギアや装備を携行しやすい作りになっています。ゲンジさんやあつぷりさんが使っているオスプレーのコードと同じタイプですね。値段もほぼ同じ。重さがやや軽く作られています。





同じく本日投入の新兵器その②　モンベル　アルパインカーボンポール　ＡＳ
ジュラルミンの芯をカーボン繊維強化樹脂で包み込むことで強度と軽さを両立させたポールです。
今まで使ってたモノが280ｇ。コレが180ｇですので、持っただけでその軽さにビックリします。
これもあつぷりさんやとしパパさんが使っているモノを実際に持たせてもらって、欲しい～と思ってたものです。




初めてのコースを縦走する予定なので、ヤマレコにＵＰされている先月末に周回されたお方のトラックデータをＧＰＳに落としてきました。雪の量や藪の具合も日々変わるので過信は禁物ですが、安心感と目安にはなります。






7：05　国道157号線沿いの冬駐車スペース出発
ツボ足でスタートです。ツルッツルの国道で転倒しないよう慎重に慎重に・・・



いこいの森キャンプ場を過ぎたあたりで、冬道に突入。夏は通れない場所をショートカットできるのは冬ならではの醍醐味です。




冬道にもリボンがあり、迷うことはありません。藪も出てはいますが、シーズン最初よりはかなり埋まっています。





ただ、圧雪されて凍った下の層の上に、新雪が20ｃｍほど積もっているので斜度のあるところは表面の雪が崩れてスベるため、非常に歩きにくいです。
キックステップを多用して登りますが、下が固くて十分に蹴りこめないところもあり、注意が必要です。





森に朝日が差し込んできました。「てんきとくらす」の予報通りいい天気になりそうです。疑って・・・ごめんなさい。




8：09　取立山夏駐車場到着
ショートカットのはずが、すべりやすい急登に大苦戦。夏道をのんびり歩いてきたときと同じくらい時間がかかってしまいました。
体力も倍くらい使ってますし、トレースさえあれば夏道のほうが体力温存できるかもしれません。




広場に出ると風が強く、表面の粉雪が飛ばされて幻想的な風景が広がります。




駐車場の電話ボックスの埋まり具合はこんな感じです。登山届は出せそうにありませんね。
前日の夜、電子登山届を福井県警に送信しておきました。
冬は現場で登山届が出せないことろもあるので、とてもありがたいです。




先行者は3～4人といったところでしょうか。皆さんツボ足で登られています。




夏駐車場から先も直登が連続し、非常にキツイです。いつもの取立山とはまるっきり違います！




雪の量もかなり増えてきました。




雪庇もすくすくと生育中




稜線に出ると、真っ白になった経ヶ岳が間近に見れます。




もう少しで頂上です。夏駐車場からはずいぶん早く感じました。




稜線は風が強く、新雪は吹き飛ばされてしまいガリガリに凍りついた層だけが残っているので、ほとんど沈み込みません。




9：48　取立山山頂到着（標高1307.2ｍ）




ザックを降ろし、しばし休憩。
ガスがかかっていて白山が遥拝できません。しばしガスが晴れるのを待ちます。
飲もうとしたアクエリが凍ってます。




かちかちのＳＯＹ　ＪＯＹとアミノバイタルゴールドをフローズン・アクエリで喉に流し込みます。




気温は－5℃　風に煽られると寒さが激増しします。あまり長居はできませんね。




この先の山行に備えてスノーシューを装着していますと・・・




ようやくガスが晴れて、神々しい白山を遥拝できました。




白山を見届けると、先着のハイカーさん達は速攻で下山してしまいました。
・・・・ってことは・・・・この先・・・




おおおっ！？
真新しいスノーシューの足跡が、お一人様分・・・・



し、しかし・・・ワタシが目指すこつぶり山方面ではなく・・・
鉢伏山方面に続いています。
・・・・ってことは・・・・やっぱり・・・・




ツギロウ、ラッセル発動しましたーっ！




沈み込みはそれほどではないものの、湿気を帯びた新雪が纏わりつき、微妙に重たいっす。




一瞬、先行者のいる鉢伏山に変更しようかとの思いも頭をよぎりましたが・・・
初志貫徹でこつぶり山を目指します。
（あんまり辛かったら・・・こつぶりで引き返そう・・・）




10：38　取立山避難小屋到着
つららがハンパないっす。




ただでさえキツイ、こつぶり山への登り返しが純ラッセルとなると・・・
雪の量もさらに増えてきたような・・・




10：48　こつぶり山到着（標高1264ｍ）
だーれもいないこつぶり山は初めてです。
独り占めできてうれしい・・・ことは全然なくって・・・超寂しいっす。




ふと振り返って、取立山の山頂をズームすると・・・
おおおっ、誰かがこっちに向かって降り始めている！




もくもくとラッセルしていると自分がこの山域に一人だけ取り残されたような気がしていましたが、このラッセル跡を辿ってきてくれる人がいるかもしれないと思うと、俄然、使命感が湧いてきます。




おっしゃーっ！いったるでぇ～
・・・今思うと前向きな勘違いって・・・恐ろしい（笑）




おりゃおりゃおりゃおりゃぁ～！！




ぜいぜいぜいぜいっ





・・・・・しーん・・・・・
だれか、護摩堂山から縦走してきてくれないかな～（寂）





こつぶり山から30分弱歩くと、樹林帯に入ってきました。
見通しの効かない樹林帯は、ついラクな方へ進んでしまいがちで、気が付くとずいぶん谷側に降りてしまっていることがあります。
去年の3月、残雪期に縦走した西方ヶ岳～栄螺ヶ岳で大変苦労しましたので、ＧＰＳでこまめにルートを確認しながら、ラクな下りにずんずん進んでいってしまわないよう気をつけます。




ＧＰＳに落としてきたルートも、その時と今日とでは雪や藪の状況も違いますので、過信は禁物です。
トラックデータを拝借した方はこの先、なんらかの理由で尾根を外して歩かれているようです。風が強かったのかもしれません。
幸い今日は風が止んだのと、疲れてくるとちょっとした登り返しでも大変なのでなるべく尾根を外さないように行ってみましょう。




マズイことに日が高くなるにつれて、気温が上がり雪が緩んできたので沈み込みの量が増えてきました。
足を無理に引き抜かず、歩幅を小さくして前の雪を押すようにゆっくりゆっくり進みます。




ときおり木々の開けたところからは、勝山の街並みが見渡せます。恐竜博物館などおなじみの場所が見えて少しほっとします。




ＧＰＳや地図を見てても迷いそうなところで、このリボンを見つけると本当に嬉しくなります。




おおおおっ！
前方に護摩堂山頂のシンボル反射板が見えてきました。




ただ、護摩堂峠を過ぎてからの急登と雪の深さは年末のコマンドー作戦で体験済なので、今回は山頂はあきらめ、迂回して林道で戻ることとしました。正午を過ぎてさらに気温があがり、雪が一層緩む恐れもあります。迂回路の林道とはいえまだまだラッセルをし続けなくてはなりませんから余力を残しておかなければなりません。




12：01　林道へ迂回
うさぎさんに先導してもらっています。一応道迷いの心配がなくなったので精神的にすごくラクになりました。




吹き溜まりではトラバース気味に進まなくてはいけないところもあり、慎重に進みます。




林道に出て精神的にホッとした分、ラッセルの疲れが一気に噴き出してきました。
おにぎりとドーピング剤を一気に飲み込み先に進みます。こういうときほど、しっかり休憩して体力を回復しなければならないのでしょうが、全然余裕がありません。




12：39　護摩堂山冬ルートに合流
前方に誰かのトレースが見えたときには超うれしかったです。




山スキーのトレースって歩きにくいんですけど、もうルンルンです！
も、もうラッセルしなくていいのだっ（涙）




いつもの杉林の中を下っていくと・・・



国道157号線が見えてきました。
路面は・・・・よしよしよし・・・・朝の凍結はすっかりなくなって乾き始めています。




13：17　おいの水谷到着
ふふふふふっ！
デポしていたのは折り畳み自転車です。





チャリを使って一気に取立山冬駐車場までワープする計画なのです！




朝のゴミ出しにしか使ってなかったチャリがここで役に立つとは・・・・




いざ、でっぱ～つ！
取立山冬駐車場まではほぼ下りのハズなので、ほとんど漕がずにたどり着けるハズなのです。




うひょひょひょひょひょ～♪　チャリ最高っ！




・・・・ん？んんん！？
ブレーキが効かねー（怖）




どうやら雪の中に半日つっこんでいたので、ブレーキワイヤーが凍り付いていたようです。
とんとんガチャガチャしてると徐々にブレーキの効きが戻ってきました。



13：37　取立山冬駐車場戻り。
チャリのおかげで7分ほどで「おいの水谷」から戻ってくることができました。
途中１ケ所だけ微妙な登り坂があり、足が攣って死にそうだったのは・・・・秘密です。








ラッセル・・・

自転車デポ作戦・・・

今後の山行に向けての・・・・

大いなる助走でした。




さあ、ツギはどの山にのぼロウか？




ちなみに今日のログです。



青い部分はマジラッセル
緑の部分はチャリです。



チャリに乗る前は、必ずブレーキテストを忘れずに（笑）